【五十路MAN日記】現場では「優秀」な日本人が経営トップになると「ボンクラ」になる3つの理由
ここ数年、企業の不祥事が明るみに出ない日はない状況の日本。私の地元の関西では知らない人のないこの会社も、エライことやらかしてくれましたよ。
いまだもらったもんは返さず、いうこともいわんと謝ったら済むんやから、こんなオイシイことあれへんわな。
最近こそだいぶ劣化が進んできているものの、日本人、とくに現場の人間ならば正直で誠実で、細やかでいきとどいた仕事ぶりで世界的にも有名です。
ですが、こうやって管理職や社長に昇進し現場を離れたとたん、あんなに優秀だった人間が、名誉と金に目がくらみひたすら欲を追い求めてしまう。ふつう上場企業の社長や会長といえば仕事ができて人望もある優れた人材しかなれない…はず。
そこで今回は、現場では優秀な日本人が、管理職や社長になると途端にダメ人間になる理由を、一緒に考えていきましょう。
現場の人間の優秀さに甘えて自分で何もしなくなる
これまでの日本人労働者は一般に遅刻欠勤が少なく勤勉で、不満があっても表立って反抗もしませんでした。自分の上司に対しても気を利かせたり忖度してあげたりすることもできるので、管理職や経営者は長い間に優秀な現場についつい甘えてしまい、どんどん無理を押し付けて自分は楽をする方向に流れてしまうのです。もっとも、最近の日本人はどんどん「怠け者」になってきているようですが。
罰則が厳格でなく謝っただけで許されてしまう
一般的に見て日本の法律は権力者に対して厳しい罰則が適用されることがあまりありません。東日本大震災の原発事故で経営責任を問われている東京電力の元社長たちも、裁判でたてつづけに「無罪」を勝ち取って(?)います。そのほかにも経営者としての賄賂や横領などを指摘されても、謝罪会見で見たくもないハゲ頭を下げてほとんど無罪放免になっている例が多いですね。
人間が心に忍ばせている「野心」「物欲」に火がつく
優秀な人材は周りから評価され地位と収入を手にするようになります。そうした人材がすべて崇高な人格者とは限らないので、次第に謙虚な心や勤勉さを失って人間本来の「欲」が前面に出てきてしまいます。欲はいったん火がつくと自分では止められず、さらなる地位や高待遇、高収入を求めるようになるのです。最近も岡田准一主演でリメイクされた「白い巨塔」の財前五郎も、そんな人間の象徴ですね。
今回は、優秀な日本人がエラくなったととたんにボンクラになってしまう理由について一緒に考えてみました。
先日の厚生労働省の発表では、合計特殊出生率は1.42で3年連続して低下。ますます人口減少に歯止めがかからなくなっています。
https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3fk=2019060700709&g=eco
こんな笑ってられない「国難」を迎えつつある時には、強力なリーダーシップが求められますが、トップに立つ人たちがこのレベルでは、日本の再生は難しい。
かつて強大な勢力を誇ったローマ帝国やスペイン王国、漢王朝などのように、このまま日本も衰退していくしかないのかもしれません。
★★★
歴史を振り返ってみると、日本組織のトップが暴走して現場に非常な無理を強いるのは、今に始まったことではありません。
昭和中期の太平洋戦争では、陸軍、海軍や大本営と呼ばれる日本軍のトップエリートが、連合軍の圧倒的な武器に精神論で対抗する無謀な戦術を実行し、何十万人という一般市民や兵隊を死に追いやりました。
イジメや過労自殺のニュースを耳にするたびに、その時の反省がいまだに活かされていないことが、この本を読むとよくわかります。
関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。