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自己分析もGDも面接も、具体と抽象の行き来の思考だけで攻略できる!

こんばんは!磯貝です。
今回は就活生だけでなく、社会人になっても使える具体と抽象の行き来のポイントをまとめてみました。この思考のいいところは知識に依存せず、自分の知らない領域でも使えることです。

ロジカルシンキング、ラテラルシンキング、クリティカルシンキングなど思考に関する横文字は大量にありますが、僕自身は体系的にそれらを学んだことはありません。自分は抽象と具体一辺倒で社会人5年目までやってきましたが、困ったことは特になく比較的賢い部類で扱われることも多いです。なので、自己分析、GDなど就職活動の具体的シーンをはさみながら、「具体と抽象の行き来」の思考について話していければと思います。


そもそも「抽象」と「具体」って?

抽象と具体が大事とよく言われますが、そもそも各々の定義から調べてみましょう。

抽象=事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること
具体=物事が、直接に知覚され認識されうる形や内容を備えていること
                           goo辞書より引用

難しいですね笑 

要はでいうと、車とか犬など、人によって解釈に幅がある一般的な概念は抽象、トヨタのプリウスとか秋田犬のハチ公など、誰でも一意的に解釈ができる物事、事柄が具体だと思ってください。

ここで違和感を感じる人もいると思います。
抽象と具体にはどのレベルの抽象度で話しているかによって変わるということを知っておく必要があります。

例えば、
乗り物という抽象に対して、先ほど抽象の例として出した車は具体。
磯貝さんのトヨタの白のプリウスという具体に対して、先ほどのトヨタのプリウスは抽象。

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(あ、バイクも自動車だから車だろとかそういうのは無しで笑)

上記図のように抽象と具体には階層や深度が存在します。当然上記は例なのでもっと細かく分類することもできます。また角度を変えて、乗り物→バイク→Ninja250といった乗り物を起点に違う図も考えられる。

なので
・同じ事柄でも抽象なのか具体なのかは話によって変わる
・抽象から具体への方向性は一意的ではない

という前提は改めて意識をすることがまずは大事です。


思考や議論のクオリティを上げる「幅」と「回数」

思考も議論もそのクオリティは、プロセスにおける
 ・抽象と具体の「幅」
 ・抽象と具体を行き来した「回数」
の2軸ポイントになります。

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基本的は具体と抽象の行き来を繰り返す議論は、帰納的であり、具体的な例をもとに本質を見抜こうとする試みです。だからこそ、具体的なものから見出した共通部分、つまり抽象化されたものは一般性は低い。だからこそ反例がないか?という視点で、また具体化する方向性を変えて、繰り返すことでより本質に近づいていきます。

抽象と具体を行き来した「回数」についてのポイントは
・具体化する方向性を変えて検証を繰り返す
この点だけ押さえていたらOKです。

ここに関して陥りやすいこととしては、一度の具体化、抽象化で思考を仕切ったつもりになるか、具体化が同じような領域で繰り返されており、ブラッシュアップされて行かない結果、反例を突き付けられることが大半です。

こちらは意識するかしないかだけで概ね解決されるので、この程度にして 抽象と具体の「幅」の話を以下では進めていきます。


具体化の方向性を固定し、思いっきり具体化する

思考も議論もですが、きれいにまとまることを大切にしすぎるがあまりに具体化が足りず、新しさのない結論に終わってしまうことがよくあると感じています。

例えば「リーダーシップとは?」を考えるとします。
とりあえず考え始めるとして、どんなことを考えますか?


統率すること?チームを束ねること?
仲間をモチベートすること?目標達成に導くこと?


特にGDで見られる傾向ですが、割に上記くらいの抽象的なレベルで思考や議論を繰り返されることが多いと思います。抽象的なので特に否定要素もないため合意は取れた気持ちになりやすいですし、比較的スムーズな議論は展開されます。ただ往々にして新しい気づきのない議論・思考になります。

ここで気を付けるべきが言い換えは具体化でないということ。
上記はリーダーシップを言い換えているだけです。また、構成要素を出すだけというのも抽象と具体の幅が足りないです。

具体化するというのは、
6W3H(What、When、Who、Whom、Where、Why、How to、How many、How much)を使って考えること
だと思います。

今回の「リーダーシップとは?」で具体的に考えると

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⓪【What】リーダーシップとは何か?

①【Who】一旦部活の主将で絞って考えよう。

②【When】部活の主将のリーダーシップを感じるのはどういう時だろう?
 自分の経験だと、全国大会を目指していたけど全然練習試合で地元の強豪校に勝てなくて、チームメンバーが練習に身が入らず、全国行こうという言葉も聞かなくなっていったときにしてくれたことが印象的だな。

③【Whom&How to】その時に主将は何をしたんだろう?
主将がメンバー全員を急遽集めて、全国に俺らと一緒に行きたいという思いをここまでの練習の話とともにされて、全員で全国に行こうとみんなで語ったときとかはすごく感じたね。そのあと、主将はその全国に向けてみんなで議論重ね、無理だと思っているところをぶつけ合いながらどうやったらできるかを考えて練習を一新したんだよね。自分たちで決めたこともあってこれだったら行けるはずと信じてみんなで一生懸命頑張るようになったんよね。迷ったりすることもあったけどその都度主将がみんなで全国行くためにこうやって決めたんだという話をしたり、寄り添ってくれたりしてたからどんどん一体になっていって結果全国に出場できたんだよ。

④【What】その部活の主将がやったことは、組織の目標に向けたコミュニケーションを仲間にとり続けることで、実現に導いたということだ。
リーダーシップは「組織の目標に向けてコミュニケーションを仲間に取り続け、実現に導く行為」といえるかもしれない。

⑤【Who】でも、リーダーシップってリーダーでないと取れないのかな?メンバーでもそういうのを感じた時はないかな?

⑥【When】・・・
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イメージはできたでしょうか?上記を整理すると、

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①では、具体化に入る前に具体化の方向性を決めています。具体化の方向性は一意的でないからこそ絞らないと思考や議論が散漫になりすぎます。よくGDでいう前提のすり合わせってやつですね。
今回はWhoで方向性を決めましたが、もちろん他のもので絞る場合もあります。具体化がまずはしやすそうな方向で考えるのが一回目の具体化ではよいかと思います。

②③では、方向性に乗っかって6W3Hの観点で具体的に出しています。

④では、⓪のテーマに向けて要素を抽出し抽象化し、仮の答えを出しています。上記は便宜上一つの具体例から抽象化してしまいましたが、一つからだと難しい場合は同一の具体化の方向性で②③を行い、複数の具体から共通部分から抜き出すということをするとよいです。ただ、1つの具体から抽象化できるならしたほうがいいです。多くても2~3個までで抽象化の方向に思考・議論を集中しましょう。

⑤から、2回目の具体と抽象の行き来に入ります。①とは違う具体化の方向性で考え始めるのがポイントです。④のところで多くの具体がいらないといったのは、1回の具体と抽象の行き来の中でたくさん具体例を出して考えても、具体と抽象の行き来の「回数」は増えないからです。違う具体化の方向性で考えることのほうが結論をブラッシュアップするにはインパクトが大きいです。

重要なのは、具体化と抽象化に方向性が複数あることと、具体と抽象の幅を意識して行き来を繰り返すことです。

※抽象化の方向性はあえて言及していない。基本は最初のテーマへの回答を意識して抽象化をするために抽象化方向はぶれることがないので定義を考える必要がない。


自己分析でも使える具体と抽象の行き来

上記でGDや思考の中で使うイメージは湧いたかなと思います。外資系のコンサルのケース面接やフェルミなども思考フレームを覚えたうえで上記をやるだけです。フレームがあるほうが抽象化が簡単になります。(いずれニーズあれば書きます)

ただ、自己分析でも使うと自分に新しい気づきがあることも多くあります。人は自分は◎◎であるという自分の特性にラベルを張りますが、人は往々にして自分のことをしっかり向き合いたいと思わないので、感覚的な抽象的なラベルを張っていて、しっかり具体を紐づけられていないことがあります。自分のラベルをテーマに具体と抽象を行き来することでより自分の本質や自分に対する新しい気づきがあります。

例えば・・・

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【抽象】自分は、思考が得意だ。

【具体】自分がやってきた経験を標準化するときに特に思考力を感じる。
過去の成功体験を具体的に洗い出して、そこから法則を見出して、大学時代はリーダーのマニュアルを作り、社会人ではCAの育成マニュアルや講座を作るなどをした。

【抽象】具体的な経験から法則を見出すことが得意なのかもしれない。そうすると逆に自分が苦手な思考があるかもしれない。

【具体】自分が思考力が足りないと思うのは特に・・・

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このような思考を繰り返すことで抽象的な自己理解や自己表現をより真の食った表現にすることができたり、自分をラベルしていた領域の解像度が上がり、上記のように逆に得意と思っていた領域内での弱みを見つけることができたりと正しい自己理解につながっていきます。


就活生だけでなく、社会人になっても使える具体と抽象の行き来のポイントをまとめてみました。よくGDなどでフレームを知っているかどうかのゲームであるように感じるときがあると思いますが、そんなテーマに縛られなくなるための思考法です。これは、フレームやルールを生み出すことを前提とした思考なので、汎用性が高いと思っています。

ぜひ参考に具体と抽象の行き来の思考を体得していきましょう!!

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