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未経験から人事に挑戦! 入社3年目の大反省会
これはEventHub Advent Calendar 2023の5日目の記事です。昨日はKengo Nishiuchiさんの「自宅リモートワークにおける寒さ対策 〜服装編〜」でした。寒い冬を迎えるにあたり、とても実用的な内容なので、こちらもぜひご一読ください!
こんにちは、EventHubの人事・磯です。
当社に一人目人事として入社して約3年が経過しました。(実はまだひとり人事なので、来年こそチームを増やしたい!?) 3年という区切りのいま、人事未経験からスタートした当初から現在までの振り返りをしてみました。
未経験から人事に挑戦する方や一人目人事 / ひとり人事の方、あるいはキャリアについて悩んでいる方や、何か新たに挑戦をしようとしている方、あるいは過去の自分自身に向けて、この記事を書いてみようと思います。
はじめに
EventHubに入社をした時、IT業界に転職をした身としては本当にお恥ずかしながら、「SaaS」の意味すらしっかり理解できていませんでした。というのも、それまでの私は公立中学校教師 → 教育NPOの法人営業というキャリアで、実は就活や転職活動を人生で経験したことがありませんでした・・・(就活には全くせずに教師一択で、その後は当社含めリファラルでのご縁で就職した)。入社した当時は「はじめての民間企業就職」 x 「はじめてのIT業界」 x 「はじめての職種」という、トリプル "はじめて" で、文字通り右も左も前も後も!?ワカリマセン・・・・、という状況でした。何度か記事にもしていただいていますが、この状況の私を一人目人事として採用しようと決断した、当社代表の理恵さんの決断力は、ノーベル賞級ものだと思っています。
そんな状況からのスタートで、とにかく「がむしゃら」という言葉が一番ピッタリの3年間を過ごしてきました。入社当時はとにかく「ワカラナイ」からこそ自信がなく、「ワカラナイ」となっても1人人事なので人事経験者は社内には誰もおらず (※だからこそ当時2名の外部アドバイザーには本当に助けられていました)、社内ではJira、Figma、スプリント、ソースコード、MRR、ARR、SQL、MQL、CVR、CRM・・・等、これまで全く聞いたこともない言葉が溢れており、その言葉が何の意味なのか、どういう文脈で使われるのかも全くわからず、「国内留学」をしている気分になりました。
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毎日のミーティングでわからない単語が飛び交うので、その度にこっそりとGoogleに尋ね、スプシに不明用語を書き出し、意味を記載するという地道な作業をしていました。
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当時HERPさんが提唱されたばかりの「スクラム採用」という単語を一般用語と認識している
現在でも、まだまだ「駆け出し人事」の私ですが、この3年で多くのことを経験させていただきました。人事制度領域のプロの金田宏之さんが、HRの10の領域と50のテーマを分かりやすくまとめていらっしゃるので数えてみたところ、濃淡はあれど3年で50のうちの43のHRテーマを経験させてもらっていました。
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「がむしゃら」という言葉がピッタリの3年間はたくさんの失敗と学びの連続でしたが、その中でも大きな反省2つを、ここに記しておきたいと思います。
大反省その1:事業理解をおろそかにしていた
前述の通り、「はじめての民間企業就職」 x 「はじめてのIT業界」 x 「はじめての職種」という、トリプル”はじめて"の状況であったので、まずは「職種理解からだ!」と思い、職種についてのスキルキャッチアップを始めました。HRの領域は広く深いので、組織論についての本や採用についての本、人事制度や労務についての本は一式揃えて、「ワカラナイ」が生じるたびに調べる、専門家に聴く、を繰り返していました。
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他は村上春樹か海外文学か社会・人文科学系が多め
一定の期間が経つと、「何が分からないか分からない」という状態はある程度脱することができるようになりましたが、ふと気付いたら入社してからある程度の日数が経っているのにもかかわらず・・・
「そもそもプロダクトの最新の状況とは?」
「競合他社との差別化ポイントは?」
「最新の顧客の声は?」
「今のチームがどういう状況で何に取り組み、どこにに課題があるのか?」
「なぜこのポジションが”今”必要とされているのか?」
という、プロダクトや事業・組織状況に関する解像度が非常に粗くなってしまっていました。もちろん、大枠については答えられるのですが、「自分の言葉で語っている」感覚がありませんでした。当時、カジュアル面談で、採用候補者の方々から各チームや事業状況についての詳細なご質問をいただく時にも、「大枠の方針はこうですが、詳しくはチームよりご紹介いたします」と情けないお返事をしてしまうことが多く、結局はチームのマネージャーや代表の方針に頼りっぱなし。社内で何かを発信する時も、「これを発信することで誰がどう思うのか」をいまいち捉えきれていないため、いつもどことなく自信がない。事業成長のための組織づくりをする上で、事業理解が浅いことは本当に致命的でした。
事業理解が浅いまま月日が過ぎ、ウニョウニョとしてしまっている私を変えてくれたきっかけは、資金調達のタイミングをきっかけにインサイドセールスに挑戦ができたことでした。2022年4月頃、当時の市況感を鑑みて採用を一時的に緩やかにしていたタイミングがあり、その時に4ヶ月間ほどインサイドセールスを兼務させていただく機会がありました。そこで初めて、新規や既存のお客様に架電やメールをさせていただいたり、当社が出展している展示会に営業担当としてブースに立ってお客様とお話をしたり、社内の営業チームとの連携を担当したりすることで、
「ああ、EventHubはお客様にこんな風に役立っているんだ」
「ああ、社内でよく話題に上がるトピックはこういうことなんだ」
ということを、ようやく身をもって実感することができました。温かくチームに迎え入れてくださり、丁寧にオンボーディングをして下さったインサイドセールスマネージャーの加藤さんには、感謝しかないです。
その実感をきっかけに、セールスやBtoBマーケティング関連の書籍を読んでみたり、実際にEventHubをご利用いただいているお客様のイベントに行ってみたり、プロダクトリリース内容を必ず確認したり・・・ というアクションが生まれてきました。(当たり前すぎるのですが) そのアクションを通して、少しずつではありますが、採用や人事制度の運用に関する場面において、プロダクトや事業・組織の全体像を、「各チームのマネージャーや代表がこう言っているから」ではなく「自分の言葉」で語れるようになってきました。
余談ですが、今年の10月11月に、3つの外部イベントに出展をしていたのですが気づけば全会場にヘルプ要員として行かせていただき、実際にブースで営業としてデモも行わせていただきました。普段お客さまの声を聞くことができない立場だからこそ、展示会や外部イベントで生の反応を聞けるのは非常に嬉しく、多くの学びがありました。また、最前線で活躍している社内メンバーが置かれている状況もリアルに感じることができるので、「実際に現場に足を運ぶ」ことでより事業理解を深めることができると感じています。
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今の私なら、壁に書かれている意味がわかるw
まだまだ事業やプロダクトへの理解を深めることについては修行中の身でありますが、もっと理解を深めて、事業成長ができる組織づくりをリードできるようになりたいです。
大反省その2:勝手に孤独になっていた
一人目人事 / ひとり人事の宿命であるかもしれませんが、採用以外の制度設計や組織開発・労務の仕事の多くは、経営者を除いて他の社員の方からは見えにくいものがあります。そしてこの仕事の性質上、その内容は然るべきタイミングが来るまでは表に出すべきでないことが多いです。何か組織課題にかかわるミッションをコンプリートしたとしても、その過程は「知られなくていい良い」努力であるのが、人事のサガだと思います。
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そういう人事という役割を意識しすぎたせいか、会社で行われている非公式な飲み会があったとしても、
「私が居たら、みんな本当に言いたいことを喋れないんじゃないか・・・」
「私が飲みに誘ったらビビられるんじゃないか・・・」
「私が本当はどう思っているかを、伝えない方がいいんじゃないか・・・」
そんな気持ちになり遠慮がちになってしまうことも多々ありました。
振り返れば、自分自身の中でブレーキをかけて、自分の意見をあまり表立って言わないようにしてしまっていたし、「そんな私のことを理解してくれない」と決めつけて、勝手に組織の中で孤独を感じていました。
そんな私にとっての大きな転機は、同僚からの一言でした。
ある日、今の組織課題についてマネージャーたちと話しているときに、当社のアイドル諸岡さんがこうフィードバックしてくれました。
「磯さんって、何か社員に依頼やアナウンスをする時、『お忙しい中、大変申し訳ないんですけど・・・』みたく、へりくだる感じで連絡してくること多いですよね。ああいう感じ、いらないと思うんです。だって、磯さんだけが組織を創っているんじゃなくて、みんなで創っているんでしょう?だから、そんなに遠慮しなくてよくって、『これやってください!』でいいと思うんですよね」
ド━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
ド━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
ド━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
この言葉は、心の奥深くまで刺さりました。
組織は私が創っているんじゃない、皆で創っているんだ。各部署のマネージャーもメンバーも、皆でこのEventHubという会社を創ってるんじゃないか。何を私は遠慮して、ひとりで孤独になってたんだ。アホやん。
しかも、私は何で「自分が理解されること」ばかりを求めているんだ。自分から「相手を理解すること」をおろそかにしてどうするんだ。アホやん。
もちろん、人事という職種上、フラットに物事を捉えたり、言うべきこと・言わざるべきことをわきまえる必要があったり、必要に応じてフィードバックをしたりする瞬間はどうしてもあります。ただ、諸岡さんからのフィードバックを受けて、「私はチーム一人で孤独なんだ」と、自分の中だけに課題を抱えてしまうのではなく、それぞれの部署・チームの一員として、より良い組織・チームを創っていこう、というマインドに変化できたと思います。(諸岡さん、本当にありがとうございました!)
「より強い組織」を作る1年へ
これまで、私の3年間の大反省をお伝えしてきましたが、もちろん、この3年間で出来たことやポジティブな変化が生まれていることもたくさんあります。そのうちの一つに、バリューや人事制度を通して、「組織としての目指すべきあり方の共通言語」が少しずつ浸透してきたことが挙げられます。この点については、改めて記事にできたらな・・・と思っているので、今回は深くは触れず、別途ご紹介をさせてください。(FYI:EventHubの人事制度について詳しく知りたい方は、こちら)
冒頭にお伝えした通り、気づけばこの3年間で43のHRテーマを広く浅く経験させていただきましたが、これからはその領域を深めていく時だと思っています。やっとバリューや制度も浸透し始めてきた段階なので、これを活かして、より強いチーム・組織を創っていくことに、次の1年は挑戦したいと思っっています。
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その取り組みの一例ではありますが、私が発起人となり、今年の4月から全部署のマネージャーたちを対象とした「オフサイトミーティング」の企画・運営を始めています。EventHubでは全部署横断でのコミュニケーションをオフラインでとる機会が全くなかったことに課題感を覚え、代表理恵さん・CTO井関さんに提案をしたところからスタートをしました。正直なところ、初回実施時は、本当に企画がうまくいくのかとかなりヒヤヒヤしていたのですが、実際にやってみてモメンタム醸成に寄与できる時間になったと思っています。
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この企画は、今年の9月にも実施をしており、半年に一回のイベントにしていこうと思っています。この企画だけに閉じず、エンゲージメントを高める施策や、仕組み作りにどんどん着手をしていく一年にしたいと思っています。
Just the beginning!
今年に入って他社の一人目人事の方や経営者の方から、「こんな時ってどうしてますか?」と質問をいただく機会が何度かあり、それぞれの質問に対して専門知識はまだまだこれからではありますが、自分が経験してきたことを、自分の意見を持って答えることができた時は、自分自身の変化にとても驚きました。
入社当初はとにかく自信がなさすぎて、代表から「磯さん、もっと自信持って!!」と言われていたあの私が、他企業の方々のお悩みに対して、何かしらの案を提示できる日が来るなんて、夢にも思っていませんでした。苦労して経験したことは、自分の血肉になっていくんだなと。私がなんとかここまでやってこれたのも、社内外のたくさんの方々の支えがあってこそだなと書いていて泣きそうになりました。ありがとう皆さん。
はい、ここまでで約5500文字。
長らくお付き合いいただきありがとうございました!こうして振り返ると、色々なことがあった3年間。さまざまな荒波を乗り越えて、組織としてはグッと強くなったと思います。
イベントマーケティングプラットフォームの分野では国内シェアNo.1のEventHubですが、私たちの挑戦は、まだ始まったばかり。
「日常を超えるつながりで、世界をひらく」
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このミッションに向けて、一緒に挑戦したい仲間を大募集しています。ご興味がある方は、まずはお気軽にご連絡ください!
そしてTwitterもやっているので、よければお気軽にフォローしてくださいませ (@iso_eriko)
さて、アドベントカレンダー6日目の明日は、天才肌エンジニアの大野さんです!本当に書いてくれるのか!?!? 素晴らしいテック記事を書いてくださいました!!お楽しみに!!!