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緑内障(やりなおし)


病態

視神経が何らかの原因により障害され、視野欠損や眼痛などをきたす。
眼房水排泄抑制による眼圧の上昇は緑内障のリスクファクターのひとつとなる。(正常な眼圧は10-20n Hg)

*眼房水について
毛様体において炭酸水脱水素酵素により産生され、眼圧を一定に保っている。
眼房水排泄経路として以下の2つがある。
①線柱帯-シュレム管経路
 眼房水排泄経路の主経路(90%程度)
②ぶどう膜-強膜経路
 副経路(10%程度)

*目の筋肉について
①毛様体筋
 収縮することによってシュレム管が開口する。
 M3受容体が刺激されることで収縮する。
②瞳孔括約筋(=瞳孔平滑筋)
 収縮することによって縮瞳となる。
 M3受容体が刺激されることで収縮する。
 収縮すると毛様体や虹彩が瞳孔の中心にむかって閉ま
 るように動く。
③瞳孔散大筋
 収縮することによって散瞳となる。
 α1受容体刺激によって収縮する。
 収縮することで毛様体などが外側にうごき、隅角が狭小化され、線柱帯-シュレム管経路をふさいでしまう。

分類

原発性と続発性に分類される。

  1. 原発性開放隅角緑内障
    隅角によってではなく、線柱帯が高分子等によって詰まることで眼房水の排泄が阻害されている。
    そのうち、眼圧が正常であるものを特に正常眼圧緑内障という。日本人の緑内障患者の70%程度を占める。

  2. 原発性閉塞隅角緑内障
    虹彩と水晶体の間が狭まっており眼房水が排泄されず、水晶体が膨隆する。
    また、隅角が線柱帯を塞ぐことで眼房水の排泄が阻害されている。

  3. 続発性緑内障
    副腎皮質ステロイドなど副作用によって視神経が傷害されている。

  4. 小児性緑内障


薬物治療


眼房水排泄促進、眼房水産生抑制などの機序によって分類される。

眼房水排泄促進

  1. プロスタグランジン製剤
    -プロスト
    ぶどう膜-強膜経路からの排泄促進
    プロスタノイド受容体(PGF2受容体)
    プラスタマイド受容体(PGI2受容体)
    副作用:まつ毛の多毛、色素沈着

  2. α2受容体刺激薬
    ぶどう膜-強膜経路からの排泄促進

  3. コリン作動性薬
    ピロカルピン(受容体刺激)
    ジスチグミン(コリンエステラーゼ阻害薬)
    毛様体筋の収縮による眼房水排泄促進

  4. ウノプロストン
    BKチャネル刺激によって線柱帯-シュレム管経路からの排泄促進

  5. ネオミデネバグ(?)
    両方の経路からの眼房水排泄促進


眼房水産生抑制

  1. 炭酸脱水素酵素阻害薬
    -ゾラミド

  2. α1受容体阻害薬

  3. β2受容体阻害薬
    カルテオロールなど
    気管支喘息患者には禁忌

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