密度の濃い時間の共有で、転職の決断のひと押しを――Levettyの場合
スタートアップを中心に、自然あふれる施設でオフサイトを実施できる「Island and office 八丈島」。アクティビティやBBQなどの体験と共にディスカッションもできるその環境を、採用目的で利用するケースもあります。今回は、八丈島での時間をきっかけに転職を決めたLevetty株式会社の成塚さんに、決め手となった経験について聞きました。
成塚 雅樹(UI/UXデザイナー)
宮城大学 事業構想学部デザイン情報学科で、UI/UXデザイン、ウェブデザイン、グラフィックデザインなど幅広くデザイン分野を学び、2020年にDeNAに入社。入社後はサービスの価値や体験の設計を専門に行うエクスペリエンス戦略室に所属し、新規アライアンス案件の立ち上げやデザインイベントのリデザインなど、事業を横断して様々な案件を担当。2022年9月にLevetty入社。
「一緒に八丈島に行かない?」その誘いが転職の決め手に
――成塚さんがIsland and office八丈島で行われるオフサイトに参加したきっかけを教えてください。
私がIsland and office八丈島に行ったときは、じつはまだLevettyの社員ではありませんでした。少し前段のお話をします。
もともとLevettyの岩佐(CEO)とは大学時代から知り合いで、私がDeNAに入社した後も何度か会っていたんです。そういった交流もあって、サービス『Cloudbase』立ち上げ時にロゴやLPなどのデザインについて相談がありました。副業という形でそれらを引き受けた後、正社員のオファーがありましたが、当時転職は考えていなかったのでお断りしました。
そんな折、岩佐から「一緒に八丈島に行かない?」という誘いがありまして。当時フルリモートで働いていたので、「ワーケーションできるならOK」と快諾しました。旅費負担もなく、いつもと異なる環境で仕事ができるなら、断る理由はないな、と。
――では、この八丈島での時間がLevetty入社のきっかけに?
その通りです。私以外で参加していたメンバーは『Cloudbase』に携わる5名、宿泊期間は4泊5日で、私はその期間の途中から参加した形でした。
このメンバーで密度の濃い数日間を過ごせたことから、『この環境だったら自分はもっとスキルアップできる』、『この人たちと働きたい』という気持ちが大きくなり、転職を決断しました。
ただし、八丈島では一度も入社の意向について確認されませんでしたし、その場で強くオファーされたから転職を決めたわけでもありません。
メンバーの温かさとチームの魅力に触れた3日間
――転職の気持ちがゼロだったのに、成塚さんをそこまで揺り動かしたのは何だったのでしょうか。
一言で言えば、とても良いチームだったことです。まだ10名以下のチームではありますが、すでにLevettyらしいカルチャーがしっかりできているな、と感じました。
私がデザイナーということもあり、携わる業務自体は単刀直入に言えばどの会社に行っても大きく変わりません。だからこそ、どんなチームで働くかが自身の働く場所に求める一番重要なポイントになってきます。その点で、Levettyは最高に魅力的でした。
――その魅力を感じた八丈島でのエピソードを聞きたいです。
些細なことかもしれませんが、ゲームやスポーツをやっているときに、勝敗関係なくみんなが楽しめていたことがとても印象に残っています。
当日メンバー同士で対戦ゲームやテニスをしたのですが、勝ち負けがある遊びだと、両者とも素直に楽しんで遊ぶのは難しいと思います。ですが、メンバーたちはたとえ負けても相手に『すごい!』と褒めたり、みんなが勝敗関係なく楽しんでいたのがとても印象的でした。
もうひとつ感動したのは、本当に思いやりに溢れたチームだったことです。私は泳げないので、滝でのアクティビティのときに飛び込みを見送りました。上で待っていることで体が冷えていたところ、メンバーの一人がそんな私に気づいて、「寒くない?大丈夫?」と心配してくれて。八丈島で過ごす間に、そういったメンバーの温かい人柄に何度も触れることができました。
あとはBBQをしたり、一緒に流れ星を見たり、バリューカードを使って互いの価値観を知ったり……。そういったたくさんの体験を共有できたことで、自分がこのカルチャーやメンバーとマッチしているという確信を持てました。
――お話しいただいたエピソードからひしひしと良いチームだと伝わってきました。それでも転職は大きな決断だったと思いますが……。
そうですね。八丈島から帰った後もしばらく悩んでいました。Levettyに入社することに対しては後悔がないと断言できましたが、DeNAを退職して後悔しないか、という問いには最後まで向き合い続けました。環境にもメンバーにも恵まれていたので、積極的に退職する理由がなかったんです。
1〜2週間はこの転職について、上司と1on1をしたり相談をしたりしていましたが、その間、ずっと心の中にあったのは八丈島での思い出です。仕事の中ではなかなか感じることのできない一人ひとりの人柄や、自分自身が自己開示できた時間を思い起こして、やはりこのチームで働きたい、という思いが勝りました。
採用観点で振り返るIsland and officeの体験の力
――じつはLevettyからIsland and office利用について相談があったとき、「採用したいメンバーとの時間の共有」を目的のひとつとして挙げていらっしゃいました。そういう意味では、成塚さんの心を動かした今回のオフサイトは大成功だったと言えますね。
そうだったんですか!もともとその目的がメインで開催されていたんですね...!知りませんでした(笑)。でも改めて振り返って、こうした時間を共有できたことは、自身の転職を決める大きなきっかけになったと思います。
もともとスタートアップで働くこと自体に興味もありました。ただ、前職では副業も認められていたので、転職となると、あとひと押し“何か”が必要でした。実際Levettyの他にもさまざまなスタートアップからオファーをいただいていた中で、八丈島で素晴らしいメンバーと密度の濃い関係を築けたことが他社との大きな差になったと思います。
Island and officeについては、今回のような採用目的での利用はもちろん、例えば職域で分けたチームのインターンなどで利用するのも良さそうだと感じました。特別な環境で感動体験を共有できること、そこから企業と採用候補者がお互いを理解しあえることは、本当に価値あることです。採用コストパフォーマンスという観点でも、良い選択ですよね。
――Levetty入社後も、八丈島で過ごした時間は何かしらの形で活きていますか?
そうですね、コミュニケーションを取るメンバーが増えました。副業で関わっていたときには一部のメンバーとだけ話していたのですが、今はエンジニアも含めた幅広いメンバーとコミュニケーションを取っています。八丈島でチームの一員だという自覚が芽生えたこともあってか、入社後はスムーズになじめました。
仕事を通じて出会った仲間は、どうしても堅苦しい関係性になりがちですが、私の場合は八丈島で初対面だったメンバーも多く、はじめから距離の近い関係を築くことができたのも良かったです。
振り返ってみると、採用の最後のひと押し、オンボーディング、メンバー同士の深い交流といったさまざまな要素を、八丈島で過ごした短期間で得られたという印象ですね。
リモートワークが普及している今だからこそ、こういった異なる環境やリゾートオフィスを通じたインターン・オンボーディングといった時間の価値は高まるのではないでしょうか。企業も参加者もハッピーになれる選択肢として、こういった機会が増えていくと思います。