メンバーの自己開示を促し、「絆」を深めるオフサイトを成功させるポイントは?「絆」をテーマに経営会議を行ったCrevoに聞いてみた
中長期戦略やチーム目標設定など、事業の根幹に関わる議論を行う機会となることが多いオフサイト。ここで本質的な課題に向き合うためには、参加メンバーが自身の意見を言いやすく、また各自の強みが発揮されるような心理的安全性を作ることが大切です。今回は、Island and officeにて「絆」をテーマに経営会議を実施したCrevo株式会社の取り組みについて、テーマ設定や議論の進め方などから紐解きます。ディスカッション以外の体験も含め、お話を聞きました。
サマリー
参加団体:Crevo株式会社 代表、役員、部長 計5名
実施目的:四半期に一度開催の経営合宿
実施日程:2泊3日
CrevoがIsland and officeを利用したきっかけ
Crevoは動画・映像制作事業を中心とする企業です。「企業成長を動画で支援する会社」として、表現に対してだけでなく、戦略性にもこだわり、ブランディングやプロモーションなどさまざまな目的に応じた動画・映像制作をプロデュースのフェーズから支援します。
Crevoでは四半期に一回程度、中長期的な話をする場を準備するよう心がけています。今回はちょうど事業を見直したり、組織を作り直したりするタイミングだったので、それらの課題に向き合う時間として今回Island and officeを利用することにしました。
スケジュール
オフサイトのテーマの決め方
今回、オフサイトのテーマは「絆」にしました。Crevoのオフサイトでは、そのときに話したい内容につながるようなキーワードをテーマとして設定します。ちなみに前回は「団結と継承」でした。
詳細で具体的な課題をテーマにしてしまうと、そのことばかり集中して議論してしまい、本質的な課題解決につながらないことがよくあります。ですので、全体のテーマはあえて抽象度の高いものを選ぶようにしています。
今年はCrevo設立10年目の年であり、営業部長を新しく迎えるなど、組織面でも変化がありました。この節目の時期に、古くからいるメンバーと新しく加わったメンバーの心的な距離をさらに縮めたい。そう考えたことが、「絆」というキーワードに結びつきました。
絆を深めるために取り組んだこと
テーマである「絆」を深めるためにまずやったことは、自分たちの強みと弱みを確認する時間を取ることでした。到着してコーヒーを飲んで一段落したあと、最初にこの時間を取ったのが良かったです。
事前準備
先に説明した強みと弱みの発表を行うため、事前に各自が自己分析したドキュメントを準備してもらいました。そのドキュメントに対し、当日は客観的に見た強みや弱みを他メンバーが付け足していった形です。
意識したのは、表面的な内容にとどまらない各自の理解を促そうとしたことです。例えばスキルとして苦手なことがある、という話なら、わざわざオフサイトで話さずとも良いことかもしれません。今回は八丈島という非日常、切り離された場所で互いの内面を開示しますから、言葉を選ばず言えば参加者は逃げられない状態ということです。そういった環境だからこそ話せる、向き合えるテーマに注力しようとしていました。
それができて初めて、多くの意思決定が必要な今回のオフサイトを成功させられると考えました。
ディスカッションの進め方
全員の強みと弱みを把握したところから、経営課題や事業戦略などについてのディスカッションへ移行しました。事前に各自の特性がわかっていることで、議論の本題についても課題を解決するのに誰が適切かがわかりやすくなったと思います。
例えば、営業部長が営業責任者として請け負うべき業務が、偶然その営業部長にとっての弱みと重なってしまっていたら、パフォーマンスを最大限発揮することはできません。そういったときは、そこに強みを持つ別の仲間が支援することができるようになります。そうして互いに強みを引き出しつつ、弱みを補いつつ経営課題を解決していくための議論ができました。
また、今回はコミュニケーションにおけるルールを事前に設定しました。「自身の考えていることを一人で抱え込まない」「問題の背景を説明・理解する」などがその一例です。八丈島にちなんで「8(エイト)ルール」という名前にしようかという案も出ていましたね。こういったルールを明確にしておくことは、議論においてとても良い効果を発揮していたと思います。
ディスカッション以外の時間の過ごし方
今回のオフサイトは、全体的にとても良い時間を過ごせたと実感しています。2泊3日で時間にもゆとりをもてたので、アクティビティなどにも十分取り組めましたし、まだ入社して間もないメンバーともゆっくりと会話を深めることができました。
特にアクティビティは、帰ってきたあとも参加メンバーとその時の思い出を振り返ることが多かったです。無人島で獣道のような道を切り開いたり、波が高くて船上でメンバーがふっとばされそうになったりと、大変な出来事もありましたが、それらも全て一緒に体験できて良かったことだな、と。あと、各自の性格が如実にわかっておもしろかったです。この人は先頭を切って前に行くタイプなんだなあ、なんて発見があったりしましたね。
また、BBQなどの時間を経て、メンバー同士でいじりあえるような関係性が生まれたのも良かったです。共通の体験はすべて絆を深めることにつながっていましたが、一番効果があったのは、火を囲んだ時間かもしれません。焚き火のもとでじっくりと話し合えた時間は、何にも代えがたいものでした。
今後の合宿実施予定
今回Island and officeを利用して、コミュニケーションが活性化される緻密な設計がなされている素晴らしい施設だと感じました。また、八丈島という場所は非日常でありながら都心から比較的容易にアクセスできるだけでなく、アクティビティが充実し、アットホームな雰囲気で仲間と過ごせます。そういったあらゆる観点から見て、トータルで非常に満足度が高い場所でした。
私たちにとって半期〜四半期に一度行われるオフサイトは、「この会合に向けて数字を良くしよう」というモチベーションのひとつであり、中長期的な視点に戻るための節目でもあります。いつも「行きたい素敵なところ」「予算」といったいくつかの要件を検討しながら行く場所を設定していますが、今回のIsland and officeでの体験は、その中でも印象的なものとして刻まれたと思います。