預言者ムハンマドも奴隷所有者
2020年の夏に主に欧米諸国で「過去の見直し」の一環でデモ隊が奴隷制に貢献した過去の偉人の像を引き倒す活動が流行ったとき、この問題について、当時まだ友人だったとあるアメリカ人の男性と某SNS上で議論になった。
彼はこのような活動を支持していて、私は反対、というかはっきりと馬鹿にしていた。なぜなら、現在の価値観で過去を裁くことに何か意味があるとは思えないから。ちょうど当時イスラームと奴隷制に興味を持っていて調べていたので、どうも昔は奴隷制は日常生活の一部であって、絶対的に悪いとまではとても言えないことが分かっていた。
彼に奴隷制はいつの時代においても絶対的な悪いものだったと考えるのかと質問したところ、そうだと回答したので、預言者ムハンマドの伝記によると、ムハンマドは7世紀当時のアレクサンドリアの知事からコプト教徒の奴隷女姉妹を二人(シーリーンとマルヤム)贈られていて、シーリーンは友達にプレゼント、マルヤムは自分の性奴隷として妾にした事例を説明したところ、急に「回教徒の友人に悪い!」とわけのわからないことを言い出して、自分のコメントを消してしまった(で、その後、ついでに友人関係も切られてしまった)。
また、彼は自分の祖先が奴隷制に関わっていないことを自慢していて(こういうときに歴史の短い国の人はすぐに祖先をたどれて便利やね)、自分の祖先が何やってたとか、そういう自分に直接関係のないどうでもいいことをかなり気にしているところをみて、ちょっと驚いた。
自分の両親とか兄弟姉妹とか祖父母とか、ごく近い身内ならともかく、家系図みないとたどれないような祖先が何やってたとか、どうでもええやろ。自分の直系の先祖(両親の両親の・・・)でも、例えば5代遡ったら、人数は2の5乗で32人になるし、そこにそれらの先祖の兄弟姉妹を合わせたらすぐに50人は超えてしまう。それだけ人おったら、間違いなく、一人や二人は人殺しとか強姦魔とか詐欺師とかおるで。
参考:預言者ムハンマドに贈られた奴隷女に関する記述。
The life of the Prophet Muhammad - Ibn Kathir - volume 4 of 4
【上記ウェブサイトからの引用開始】
Two women were awatded to the Messenger of God (SAAS) as tribute. One of these was Mariya, the Copt, daughter of Sham'un. She was awarded to him by the Governor of Alexandria, whose name was Jurayj b. Mina. Along with her he also presented her sister Shirin. The Prophet (SAAS) accepted his gifts and chose Mariya for himself. (p.430 [PDFではp.460])
The Messenger of God (SAAS) very much admired Mariya; she was fair-skinned and beautiful and had curly hair. He lodged her and her sister with Umm Sulaym, daughter of Milhan. The Messenger of God (SAAS) would visit them both there and it was there that they both accepted Islam. He consummated with Mariya since she was a slave, then moved her into a property he had at al-'Aliya that had belonged to Banu al-Naqir. (p.431 [PDFではp.461 ])
【上記ウェブサイトからの引用終了】