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しくじり就活。【私は「未来」を諦めた】

テレビ制作会社から内定を貰ったのは、
2018年11月27日のことであった。

というと、必ずと言っていい程
「えっ!遅!」という反応が返ってくる。
私からすれば全然遅くないんだけど(体感的にね)、そう言われ続けると
「内定出たしもういいかなぁ」
と思い始めてきた。
人に言われたからとかじゃなくて、自分の中での「もう就活やめたい…」という気持ちも強かったのは確かだ。

ただその時の私には、別に興味のある会社があった。

その会社はWeb制作会社なのだが、
新卒でWebライター、Web編集者を募集しているという、なかなか珍しい会社だった。
詳しく言うと分かる人には分かるが、
好きなフリーライターの方が、以前編集者として勤めていた会社である。
面白い記事、若手社員の活躍、新しいオフィス、採用におけるスタンス。
こう書くとすごく軽々しく感じるが、
現時点で1番行きたい会社はそこだった。

でも私は、
内定を1社獲得して、就活を辞めてしまった。
そして、再び就活を始めることはなかった。

理由は色々あったのかもしれない。
そのWeb制作会社のエントリーシートが、クリエイティブ業界によくある
作り込まなくてはいけないタイプのものだったから「め、めんどくさい…」と思ったこと。
内定を貰った会社の代表が、とてもいい人だったこと。
そこで働けば六本木出社という魅力的なワード。
早く引越し先を決めたいという焦り。

何より
「内定貰ったんだよね〜」と言える時の安堵感。
あんなに憂鬱だった気持ちが、「内定」という2文字だけで晴れ渡ったような気分になり(錯覚に陥り、とも言う。)、
まるで自分のネガティブな性格まで治っちゃったみたいよ!
うそでしたけどね。

先述した「就活を辞めた理由」にそれぞれ
今思うことを付け足すと、

①作り込むエントリーシートが面倒なのは、
私がポートフォリオや創作系のスキル(と言ってもパソコンに既にあるペイント機能とか?)
が極端に無かったからだと思う。
現にペンタブを購入しクリスタで絵を描いていたり、仕事でちょっとした演出案を作っている今、大抵のことは自分が考えていたほど難しいものではない。
だいたい新卒のエントリーシートに、そんなスキルが求められてるわけでもなく。
ただ単に、志望動機だったり何だったりを書くのが面倒なのだった。

②会社の社長が良い人でも、一緒に働くのはその人ではない(社員をテレビ局に派遣するタイプの制作会社だからね)。
そりゃ信頼できる人である方が良いんだけど、
決め手にするのは違ったな、と思う。

③六本木出社したところで、働くオフィスなどの環境の方が、自分にとって大事なんだと
働き始めて気付いた。
案外場所に執着するタイプだった。

④今住んでるとこ、ぶっちゃけ2時間で決めたで?

……

もっと挑戦すればよかった。
「今分からないから」を理由にしなければよかった。
もっと未来のことを考えるべきだった。
あのWeb制作会社を受けていれば必ず成功した
なんてことは絶対にないが…

何より、あの大学4年生の冬。
自分の未来を、「めんどくさい」という何とも情けない理由で。
自分の為に考え、行動するという
最も大事なことを放棄してしまった。
それが何よりも悔しい。

仕事を「お金の為」「生活の為」で割り切れるほど、私は器用ではなかった。
言うほど高給でもないし、完全夜型生活(慣れてきてはいるけど)のテレビ業界。

だが、最も私がこの世界に入って後悔している理由は2つだ。

一つは、本やマンガへの思いが捨てきれなかったこと。
二つ目は、今の仕事のストレスを、仕事の中で発散できないと気付いたこと。

この二つ目が、なかなか厄介なのであった……

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#しくじり就活


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秋海まり子
日々の思うことを綴ります。エッセイ大好き&多めです!