シークレットラブ
これは秘密の恋なのです。
誰にも言えない恋なのです。
それはあなたが人のものだからです。
愛に責任なんてあるのですか?
愛は自由ではないのですか?
人は人を傷つけて生きているのだと思うのです。
いつだって人を傷つけて生きているのだと思います。
それはいたしかたがないものだと思うのです。
誰も傷つけずに生きることなんてできないのです。
人は変わります。
気持ちも変わります。
永遠なんてありません。
愛は生まれて、いつか失われてしまうのです。
いつまでも続くことの保証なんて、誰にもできないのです。
新しい愛が生まれて、古い愛が死んでしまいます。
死んでしまった愛は憎しみに変わります。
私の恋は秘密の恋です。
誰にも知られてはいけません。
確かな言葉が欲しいのは確かなことなのです。
けれどもそれを求めてはいけません。
形になるものを残してはならないのです。
泡のように消えてゆく時間が、私には貴重なものなのです。
決して証拠など残してはならないのです。
時間がたつと消えてしまうメッセンジャーで、あなたと言葉を交わします。
スクリーンショットなど撮られないように気を付けます。
言葉はほんのひと時のよろこびを運んで、泡のように消えてしまうのです。
私はあなたにメッセージを送ります。
あなたが私のところから去ってゆく残り香の中で、メッセージを送ります。
「気持ちくしてくれて、ありがとう」
おわり。
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