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いい曲を聴けるのは信者のお陰だって何度でも言いたい

歌手やバンドの熱狂的なファンが「信者」とか呼ばれてバカにされることがある。

わたしにもとても好きなバンドがある。心から好きなわりに、CDを全部買ったりはしないしツアーの度にライブに行ったりもしない。他の事のほうが優先順位が高いのだ。本当に好きでこの程度の貢献。

わたしは信者にはなれない。信者になるには才能と努力と優しさが必要だ。

わたしみたいにちょっとした音楽好きを気取って「いいと思った曲しか買わないし〜」的な奴は、ともすると信者をバカにしそうになる。

だけどちょっと考えればわかる。曲が売れない間、経済的にアーティストを支えてるのは誰なのか。

そのときエセ音楽好きは「もう終わったな」とか「一発屋だったな」とか言うくせに、数年後いい曲が現れると口ずさんだりしちゃって、買ったりしちゃって、誰が投資してくれた賜物なのかを考えもしなかったりする。

だいたい先入観をなるべく排除して聞くと、信者さんには母親的で父親的で投資家的な思考の持ち主も多いようだ。アーティストを必ずしも全肯定しているわけじゃない。

だめなときもだめなことを重々わかって、それでも支えになるために聴いたり買ったりしている。美味しいとこだけつまみ食いしたがるわたしとは格が違う。結婚するならそういう信者さんの方がいいと思うほど。だって、いいところも悪いところもまるっと愛する能力があるのだから。

わたしはアーティストではないから、アーティストにとって信者達がどういう存在なのかはよくわからない。批判が聞きたい時期もあるだろうし、ウザいって思う場合もあるのかもしれない。でもきっと心底有難いのだろうと思う。売れない痛みが一体どんなもんかわからないけれど、見向きもされないイベントを主催した経験から察するに、少なくとも毎日泣きたいくらいには辛いと思う。そんなときに自分の音楽にお金を払ってくれる人なんて、有難すぎて神か仏に見えるだろう。

信者がいなきゃ生まれなかった曲がきっと山ほどあるんだろうな。
だから音楽好きは信者さんに感謝はすれバカになんかできないはず。(まあ信者にも色々いるから一概には言えないが。)

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