利他主義な人などいない。異なった利己主義な人達がいるだけだ。
利己主義な人、利他主義な人がいるという。俺は超利己主義な人間なわけだが、真に利他主義な人間などいないと考えている。
ただ、性質の異なる利己主義が存在するだけである。
ということで、俺が出会ったことがある利己主義なタイプを4つ解説する。
というより、ざっくり分ければ大体の人はこの4つのどれかになると思っている。
利他主義タイプ(情けは人の為ならずタイプ)
一見利他主義に見えるタイプ。というか、自他ともに一般的に利他的な人とされるタイプ。要するに人が良いタイプ。
この人達は基本的に親切だし、自分のことより他人のことを優先するまさに利他主義な人たち。「親切な人だね」というと「いやいや。ただ人から嫌われたくないだけですよ。」だったり、「ただ、自分の役目を果たしただけですから」のようなことを言う。
どう見ても利他主義な人でしょと思うかもしれないが、俺から言わせればやはり利己主義な人である。
要は人に恩を売っておいていずれ恩返ししてもらおうと本能で感じているから、人に親切にするのである。”本能”でというのがポイント。自分自身では心から親切にしたいと思っているのだろうが、それらは所詮遺伝子に組み込まれた生存本能に過ぎない。
事実、感謝の言葉を述べなかったり、何らかの形で恩を返さなければ復讐してくることもしばしば。直接的ではなく間接的にやってくるので質が悪い。優しさにつけこんでいると食事に毒盛られる感じ。
チスイコウモリでググって欲しい。要はこいつらと同じだ。人間は動物と違って優しさや情があるから、親切にできるなどという人がいるが別に人間でなくても他者に親切には出来るのだ。
とは言え、俺のように穿った見方をしなければ基本的には本当に利他主義な良い人たち。このタイプの人には「自分は本当は利己主義な自分勝手な奴なんだ」などと落ち込まないでほしい。寧ろ、人の良さにつけこまれ搾取されている人も多いので、所詮自分の利他性も利己主義の一つなのだと、見返りを考えながら利他主義に走る姿勢を持った方が良いと俺なんかは思う。
他力本願タイプ(周りにどうにかしてもらおうタイプ)
一見利己主義には見えないタイプ。推しに弱そうに見え、自己主張せず、自発的に行動することもめったにない。基本受け身なタイプ。
この人達は欲がなさそうに見え、温和に見える。故に利他主義な人と勘違いされていることも多い。稀に快活な人もいて自己主張している人もいるが、よくよく聞いていると他人の意見に乗っかっているだけだったりする。
たぶん本人たちは「自分勝手に自己主張したり、行動したりしてほんと皆って利己主義」と思っている。
個人的にはあまり好きではないタイプ。なぜなら、利己主義に見えないだけで普通に利己主義だからである。
このタイプは自らの力で自身の欲を満たそうとはしないが、不満がたまると”不満である”という雰囲気を撒き散らし周りにどうにかしてもらおうとする。
自己主張できるタイプであればはっきりと不満を口にはするが、自分でどうにかするわけではなく「どうにかした方が良い」のような言い方をし、周りにどうにかするように促す(他力本願)。そして、促しはするが自分では手は貸さない(口を挟むことはする)。
俺が好きになれないタイプなので悪印象な書き方になってしまったが、悪い人たちではない。他力本願故に基本的には我慢することが多いだろうし。人間関係のトラブルは利己主義VS利己主義なので、このタイプのように受け身でいてくれると争いが起こる前に折れてくれて戦争に発展しない。故に基本無害である。ただ、我慢させ過ぎるといつの間にか群れて反乱起こしてくる。
俺からは言いたいのは我慢するんじゃなくて行動してくれかな。口に出してくれるだけでも良い。黙ってても結局は皆利己的だから助けようと思わないからな(利他主義タイプも助けを求めていて見返りをくれそうな人を優先して助ける)。急に機嫌悪くなって不貞腐れても自分の評価が下がって損するだけだぜ、と言いたい。
機械人形タイプ(皆のためと思っているタイプ)
このタイプは利己主義のように見える場合が多い。ただ、本人は自分のことを利他主義だと思っていることが多い。
使命感や責任感という言葉が好きだったりする。どこかから拾ってきた価値観を自らの信条と思い込みそれに則り行動する。その拾ってきた価値観が正義や善と呼ばれるものだと、「皆のためにしなくちゃ」と恩着せがましいことをしてくる。
考えていることややっていることは確かに利他的なことなんだろうけど、根っこが自分の思い通りにしたいと言う奴なので、やはり利己主義である。そして、大体の場合周りからはそれがはっきりと分かるので本人と周りの中でのギャップにより嫌われていることが多い印象。
インストールされたプログラム(価値観)通りに行動し、融通がきかないところや、自分のことを人間(皆は自分と同じ考え)だと勘違いしている感じがそっくりなので、俺はこのタイプを機械人形タイプと呼んでいる。
個人的には扱いやすいので嫌いではない。ただし、面倒くさいは面倒くさい。環境に嵌れば最強なんだが、そうでないとポンコツロボット。暴走することもしばしば。
利己主義を「”自分の利益や立場だけを考えて”身勝手に振る舞う態度」という辞書通りの意味と捉えると、ある意味一番利己主義的ではないのだが、態度が身勝手なので利己主義だと思われがち。
辞書通りの意味での利己主義順は
「利己主義(後述)>他力本願>利他主義>機械人形」
だと思っている。
見た目の態度は
「機械人形>利己主義>他力本願>利他主義」
で機械人形が一番利己主義ぽく見えるけど。
思い込みが激しいというか自分の価値観が絶対だと思っている節があるんだよなこのタイプ。他のタイプは自分の価値観が一番良いとは思っていても絶対とは思っていない分妥協点を探せるんだけどこのタイプはマジで頑固。思考の柔軟性がないという意味で馬鹿に見えるんだよな(知能は高かったりするけど)。
ボロクソに言ってきたけど、自分の欲に対して迷いなく行動するところは良いと思う。なんだかんだ結果は出すし。
「もっと頭と心を使おうな」とアドバイスしたいところだけど、多分うまくいかないんだろうなという気がする。「頭は十分使っている。これこれこうでこうだからこうなんだ!(そういうことじゃない。)」とか「心とはいうがでは常に気持ちに慮っていて良いのか?(別に常にとは言ってない)」などとなりそう。
このタイプはこの人をどうにかするより、環境をこの人に合わせた方が良さそうと正直思っている。そして、本人はできれば自ら適した環境へ移動するよう努力して欲しいかな。
利己主義タイプ(開き直っているタイプ)
最後に利己主義タイプ。辞書通りの意味で利己主義なタイプで、本人も自分は利己主義だと思っているしそれで問題ない(というよりそれが普通)と思っている。
自分の欲に正直でそれをどう満たせば良いかと素直に考える。他のタイプは周りを助けて自分も満足(利他主義)、どうにか願いが叶わないかなあ(他力本願)、欲とかそんなんじゃない[自身の欲に無自覚](機械人形)と回りくどい奴らだが、こうしたいからこうする(利己主義)を地で行く。
利己主義だから身勝手かというと必ずしもそうではなくて、自分の欲を満たすために他人に貢献することもあるし、自分の欲を満たすための犠牲が多すぎると思えば他人に譲りもする。
俺がこのタイプなのでバイアスがかかって何か良い感じに書いているが、他のタイプより優れているとかそういうのはないと思う。
利他主義と比較した場合は、自分の欲と関係ない相手は助けようと思わないし、損得勘定マシーンとして動くので助ける明確なメリットがないと助けない。
他力本願と比較した場合は、周りを気にしないのでそれこそ身勝手な行動を躊躇なくすることもしばしば。
機械人形と比較した場合は、機械人形タイプはやり方が悪いだけで皆のためを思って行動することもあるが、利己主義タイプは結果として皆のためになることはあっても前提として自分が得するためにしか行動しない(できない)。
俺がこのタイプだからこの相手だとやりやすくて助かるし、賢いなとは思うけど、レベルの低いやつだと視野が狭くて目先の利益に飛びついて後で手痛い負債を負うことになっている時もしばしば。
アドバイスするなら利己主義であることは悪くないがそのためには、広い視野、高い視点が必要。時には利他主義的に振る舞うことが利己主義の最短経路になる。急がば回れと肝に銘じよかな。
まとめ
結局みんな利己主義である。ただ、それぞれ戦略が異なる。「あの人利己主義だよね~それに比べてあの人は利他主義で~」と言った議論は不毛。だいたい自分と似たようなタイプは利他主義で違うタイプが利己主義なのだ。
それぞれのタイプの特徴を把握して、彼らなりの利他主義(利己主義)なのだと理解すると楽。
結局究極的に利己主義でない個体は淘汰されるだろうから、生き残っている俺らは利己主義に違いない。利己主義は悪と思わず、自分なりの利己主義を極めることが結果的に利他主義につながるものだと考えている。