まだ、僕たちは何にでもなれる!
地域おこし協力隊(以下、協力隊という)は最近各地で見かける。令和8年度までに1万人の協力隊数(単年度)を目指している。もちろん経験者を入れるとそれなりの数になる。最近では、魅力的なポストや地域、はたまた魅力的な人たちがいないと、募集しても来てくれないという状態になっている。このご時世(2024.10現在)なのだから仕方はないが、かなりの売り手市場になっている。
協力隊の仕事の種類は平成21年(2009年)以来、増えている。一般的に、地域の宣伝マンであったり、農産物の商品開発、山間部の生活支援などがよく挙がる職種であったが、今は多種多様な職種がある。
「フリーミッション」その最たるもので、自分の提案を自治体にプレゼンするもので、どんな仕事でもいい。もう少し受動的に面白めの仕事を求めるのなら、「地域おこし協力隊 募集」とググれば大丈夫。2024/10/15現在で見てみると、コーヒーの焙煎士、芸術家、そば職人、大学院生、ソーシャルワーカー、コミュニティ・コーディネーター、物流プロデューサー、学芸員などなど、なんて素敵な職業が出てきます。しかも、通常の仕事と比べたら敷居はとても低いので、志と柔軟な姿勢があればその職に就くことができ、しかも任期は3年なので、3年の業務経歴ができるわけです。その後を考えると3年間の経験は大きな財産になります。
とは言っても、仕事であるし、行政との関わりが強くなるので、いろいろ慣れないことや、摩擦もあるのはもちろんですが、それを言い出せば何にでも障壁はあります。それを受けても余りあるのですが、この制度のすごいこところは、「何にでもなれる!」です。
キャリア・パスは社会に入る前から築いていかなければならない昨今です。気がつけば「遅かった」ということもあるかと思います。(私もそうですが)しかし、遅いと思った時からでも始められれる制度が「地域おこし協力隊」です。
そんな風に考えると、なにかウキウキしてきます。どんな境遇であっても、気づいたところから努力をすることで、新たな自分になれる可能性が国制度にあるのです。もちろんシニアの方も受け入れてくれます。「もう遅すぎた」などと嘆く言い訳はできないのです。
僕たちはまだまだ何にでもなれる。
そんな気持ちがあると、どんなに歳をとっても創造的でいられるし、学びを続けていけるのかと思います。そんな大人がいるって、まち自体が創造的だし、成長していくってことだと思うのです。そんな大人の背中は、子どもたちにも伝播し、世代を跨いでのよい影響を与えうるのです。
国の政策として、違う目的(地方への人口分散)があることは知っていますが、「地域おこし協力隊」制度をそんな風に解釈してみたいのです。制度は枠組みです。良くも悪くも運用によって、制度は生きてきます。「まだ、僕たちは何にでもなれる!」を旗頭に、現存の制度に熱い血を流していきましょう!