「岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020」
若菜晃子 編著
岩波書店
小中学生時代に心を躍らせた本の多くは、岩波少年文庫であったことから、非常に面白く読みました。作家や翻訳家の文章の再録では、私にとって、日本の子どもの本における神々の面々といえる方々が並び、めくるページ頁で彼らに会えたことが、何より嬉しかったです。
児童文学に対しての知識不足に気づかされると共に、子どもの環境と未来を熱心に考えた作家・翻訳者・編集者・挿絵画家がいたことが、日本の子どもの本を成長させたこと、彼らの試行錯誤と努力に頭がさがります。
岩波少年文庫の発刊に際しての広告で、「この文庫の特色」として挙げられた五項目は、今にも通じる子どもの本をつくるときの精神だと思います。
2章以降の児童文学における挿絵と翻訳に対する態度からは、たくさんの学びが得られました。
そして、未だに読んでいなかった本が多数あることに気づき、新たに読書リストに加わりました。
これから少しずつ読んでいこうと思います。