【10分師匠】「人間は試練があるとひらめく」〜陳昌鉉〜
どうも、伊志嶺海です。
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さて、今回の師匠は陳昌鉉さん。
陳さんは在日韓国人の方で、14歳のときに来日し日本で育ちます。明治大学英文科を卒業し英語教師を目指すのですが、当時mだ国籍に対する差別が横行している時代で、陳さんも韓国籍という理由で英語教師の夢は叶いませんでした。
そんな失意の中、糸川英夫さんという宇宙工学者の方の講演を聞き、「名器ストラディバリウスの再現は不可能」という言葉が響き、そこからバイオリン職人の道を志します。
その後陳さんは長野県木曽福島町に移り、バイオリン工場に入ろうとしますがなんとそこでも国籍が理由で採用してもらえず。とはいえもう後戻りはできないと奮起し、独学でバイオリン制作を習得する決心をします。
幸い木曽福島は木材の産地のため材料や工具の調達は割と簡単だったそうですが、なんせ師匠無しで独学ですから、バイオリンを作っている人をほぼみていないそうです。なので地元の名産であるバイオリンが木曽福島駅の待合室にあったので、それが陳さんの参考書代わりだったそうです。
それからバイオリン制作に励みますが、ラジオから聞こえてくる名器には到底及びません。陳さんは音で売れるバイオリンを作ろうと研究を重ねるわけですが、木曽の山奥にいるとどこにいてもせせらぎや蝉の声、野鳥の声が聞こえ、それがラジオから流れてくる名器の音色と似ていると感じたそうです。
自然の音色と名器に共通するのはこれだと、この音をバイオリンで表現できないか実験を重ねた結果、"倍音"が鍵だとわかりました。
人間の耳は、低い音で20Hz、高い音だと3,000Hzまでしか聴こえないそうですが、名器やせせらぎ、野鳥の声は10,000Hz〜20,000Hzの音を出せるので、それが音の味となって深みに繋がっているという結論に至ります。
それをもとに開発を続け、ついに名器を作り出し、製作したバイオリンがアメリカの「アメリカ国際ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ製作者コンクール」において6部門中5部門で金賞を受賞し、一躍名職人として知られることになります。
このような自然の法則を見つけ出せたことについて陳さんは、試練があったからこそひらめいたと話しております。英語教師の道も、バイオリン職人に弟子入りする道も無くなってしまい瀬戸際に立たされた陳さんだからこそ、必死になって研究ができたんだと思います。
このお話を聞いて、後戻りできない状況を作りのも一つ良い手かもなと思いました。陳さんの場合は望んでそういった状況になったわけではないですが、思い切って「えいや!」で飛び込んでみるのも大事かもしれないですね。
特に起業や独立はリスクのことを考えるとなかなか一歩踏み出しにくいですが、もし失敗してしまったとしてもまた1からやり直せますし、実際何とかなることがほとんどなので、「もうやるしかない!」という状況を自ら作るのもいいかと思います。
最後に余談ですが、当初英語教師の夢が叶わなかった陳さんは、ご自身の本を出版されており、なんとその内容が高校英語の教科書に掲載されたんですね。巡り巡って英語にも携わる運命となり、非常に感慨深いですよね。
私もやりたいことがたっくさんありますが、若いうちに、そして後悔しないようにどんどん挑戦してみようと思いました。みなさんもぜひ、陳さんのお話を参考にしてみてくださいね!
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