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呟き
冬が過ぎて、春が来るとあっという間に夏が来て、そして全てが焼き尽くされて秋になり、また冬は来る。そんなことの繰り返しをとても愛しているし、憎んでいる。だから今日みたいな、冬なのにおかしくなってしまった雲の浮かんでいるような日は大好き。人間の横暴で傲慢な仕打ちにもっと全てが怒り、夏と共に燃やし尽くして仕舞えばいいのに。
私は人間を愛している。そして憎んでいる。
つまるところ季節もまた、人間の営みに過ぎないのだと思う。このリズムの意味を勝手に読み取って、名前を付けた人間の営みに。
昔付き合っていた人に何度か「本当は小さくて可愛い女の子が好きなんだ」と言われザラザラと傷付いた。その人の身長など鑑みても私がそうでないことは明白で、でも「なのに愛してくれている」と思うことにした。
飼っていたペガサスが逃げたので今日は一日中探し回った。探し回って疲れ果てて仕方なく家に戻ると、既に戻ってきていて、専用のハンモックで静かに眠っていた。
汗だくだったのでお風呂に入った。淡いクリーム色のバブルバスは体から浸透してきっと少しずつ心を修復してくれる。
ペガサスが戻ってきていて本当に良かった。
ガラガラの電車に乗っていたら急停車した。アレが始まるのだと思った。もうこの電車はどこにも行けない。寂しいけれど降りた。他の車両にも誰もいなくて、私1人だった。寂しかった。
注射が本当は苦手だけど、子どもの頃は注射が苦手なのって子供っぽいと思って我慢してた。今は大人だから駄々もこねるし甘えるし我慢もしない。子どもっぽいと思うことをしたいのにできないのってすごく、子どもみたい。
大人にならなきゃと焦るのは子どもだからだ。本当の大人は子どものように振る舞うことを恐れない。
小難しいエレファントラブみたいだね。
雨がしばらく降らないからちょっと寂しかった。この前久しぶりに降った雨は、街を湿らせる程度のもので、沈んだ世界までは見ることができなかった。
土砂降りの中に沈んだ世界を見たい。
多分私は愛している。全ての言葉を尽くして、全ての行動を賭して。
とても危ない。そして美しい。それができるのは愛しているからだと思った。