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Choose again.
SF小説が好きです。とくにクラシックなものが好きです。いつもだいたい紙の本を読んでいます。文庫サイズが好きです。あと、ネコも好きです。
ハイペリオンシリーズ
僕が好きなSF小説に ダン・シモンズ 著 のハイペリオンシリーズがあります。
「大いなる過ち」という出来事をきっかけに、天の川銀河に飛び出した人類は800年後にテラフォーミング技術(惑星を住める星に改造する技術)や転移ゲート(どこでもドアみたいな)、量子リープなどの技術を使い何光年も離れている星どうしで一つの大きな社会を作っていました。なんと、DNA操作の技術を使い宇宙空間に適応してしまった種族もいたりします。
恋愛あり、スペースオペラあり、タイムリープあり、戦闘やハードボイルドやファンタジーやホラー的な要素など、とにかくSF小説のいろいろなジャンルが盛り込まれており、さらにジョン・キーツの詩篇をベースに構成されていて、作者の想像力や構成力に脱帽し、SFの醍醐味を存分に味わえる作品です。ハイペリオンの続編となる「エンディミオン」まで含めると4500ページくらいある大作です。
選べ、もう一度
ハイペリオンの続編である「エンディミオン」には、生まれる前から、人類にとって「教える者」となる宿命を背負った主人公、アイネイアーという女の子が登場します。
彼女は、生まれる前から自分の運命や物事の繋がりを知っていて、いつか人類の前に立ち、自分が知っていることを演説する日に備え、できる限り短い言葉で伝えようと何年もかけて言葉を選び、推敲し、削り、本当に大切な2語に行き着いたのでした。
それが、タイトルにある「Choose, again(選べ、もう一度)」でした。
作中では、アイネイアーと会話しているボーイフレンドのロール君も、最初「なんのこっちゃ?」という反応を返すのですが、ストーリーが進むにつれて、この2語にたくされた想いや意味を理解すると、その深く奥行きのある思考や精神世界に触れた読者は感動を覚えるのでした。
「Choose, again」って素敵じゃないです。「Choose」だけじゃなくて「Again」があることが特に気に入っています。
小説の中では、結果的に元通りとなったとしても一人ひとりがもう一度「選ぶ事」が重要だとアイネイアーは言います。選ぶためには選択肢を知らなくてはいけませんし、よく選ぶには沢山の選択肢が必要です。良いことも悪いことも含めて正確な情報が必要です。「あなたが選んだことでしょ」って自己責任を押し付けるのは良くないことですが、選べないことに苦しんでいる人がいるとしたら、「また選べるんだよ」といってあげたい。
コロナ禍で起きたニュースにふれた僕には、なんとなくこの言葉が今大切な気がしてしまいました。今までの価値観や常識が大きく変わる転換期ですし、急速に世の中に変化が起こっているように感じるからです。
沢山の選択肢が等しく提供される社会や世界になりますように。
ハイペリオンシリーズは本当におすすめです。