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好きなSF小説
SF小説が好きです。とくにクラシックなものが好きです。いつもだいたい紙の本を読んでいます。文庫サイズが好きです。
最近、歴史小説が好きな友人から、おすすめのSF小説を教えて欲しいといわれ、ちょうどnoteを使ってみたかったこともあり、noteの練習と自分の備忘録を兼ねて、おすすめのSF小説をまとめてみたいと思います。
実際に読んだことがあるものの中で、好きなものをご紹介いたします。結果的に、「おすすめSF小説」とかで検索すると上位に出てくるものばかりになってしまいました。
ネタバレは書きません。そのため少し薄い紹介文になっているかもしれません。(たんに文章力が無いだけです)
上の写真は、このエントリーを書くために読んだ本を整理していたら、飼い猫が本の上に乗ってきてその後、寝ちゃいました。
アイザック・アシモフ
ロボットシリーズ
現代のAIやロボット工学にも影響を与えたといわれる、ロボット三原則をテーマとした短編小説の集まりです。「アイ・アム・ロボット」という映画のベースにもなりました。スーザン・カルヴィンという超頭のいい女性が登場します。とても知的で魅力的な女性です。
ファウンデーションシリーズ
イーロン・マスクも影響を受けたとされる、面白い小説です。天の川銀河を支配し100世紀以上(つまり1万年以上)栄えた銀河帝国は間もなく崩壊し、その後何万年も復活できないだろう!と、とある科学者が計算をしました。しかし崩壊する前に「ファウンデーション」という組織を作ることで、何万年もかかる暗黒時代を1000年に短縮できることもわかりました。計画(予言)は動き出します。全ては科学者の予言どおりに進むのか!?とても読みやすくストーリーもテンポよく進むため壮大な物語(1000年の物語)に気がつくと夢中になってしまう作品です。
ベイリーシリーズ
ロボットシリーズの一つですが分けてみました。ベイリーシリーズはミステリー(推理小説)です。ベイリーは警官で殺人事件などを捜査していきます。ロボット三原則の穴をついたトリックをあばいていきます。ベイリーの相棒がまたキュートです。「鋼鉄都市」→「はだかの太陽」→「夜明けのロボット」と続編が続きます。
アーサー・C・クラーク
3大SF巨匠の一人(あと2人はアシモフとハインライン)です。晩年はスリランカで生活をしました。飼っていたワンコの名前は「スプートニク」。「宇宙進出しなければ人類の未来はない!」という考えを持っていた人物です。はい!私もそう思います!
宇宙の旅シリーズ
「2001年宇宙の旅」は映画も超有名ですね。完全無欠の人工知能(HAL)が登場します。小説公開後に「HAL」 という人工知能の名前が「IBM」の一文字ずらしだったことから、IBMから名付けたと噂になったそうですが、著者は完全に否定しました。けれど後日、IBMのマーケティング担当からお礼としてコンピューターをもらったことがあるとクラークは晩年話しをしていたそうです。
ラーマシリーズ
ある日、太陽系で直径20キロにもなる人工物が発見されます。この人工物は100万年以上をかけて太陽系にやってきたようです。これは一体なんなのでしょう?ちょうど近くにいた宇宙船エンデバーが調査に乗り込みます・・・ 読みやすく、「センス・オブ・ワンダー」を堪能することができるシリーズです。本を読んでいると映像が頭に浮かんでくるほどに描写がうまいのですが、映像でもみてみたい!と思える作品です。現代のVFXなら映画化もできるのではないかと思います。映画化されないかなー。
幼年期の終わり
クラークの作品のなかで私が最初に読んだのがこちらです。特に後半に大きな衝撃を受けた超名作です。この作品をきっかけにクラークを読みまくりました。ある日、地球上空に圧倒的な科学力・超文明の宇宙船が登場します。救世主なのか侵略者なのか?地球人はどこから来てどこへ向かうのか?進化とはどういうことなのか? そうったことを考えさせられる一冊です。超オススメです!
最終定理
クラーク最後の作品です。あまり評価は高くないですが、むしろ他の作品が強烈すぎるため相対的に物足りないと感じるのかなと思いました。フェルマーの最終定理にとりつかれた少年の成長と、地球人を滅ぼしに向かってくる宇宙人の話が同時並行に進んでいきます。この小説の中にはいくつか数字のトリックが描かれているのですが、私は飲み会などでたまに使ってみんなをちょっと驚かせるのが好きです。青春・暴力・恋愛・冒険・トリックなどいろいろな要素が入っていてとても読みやすい一冊だと思います。
ロバート・A・ハインライン
夏への扉
タイムリープ物です。1956年に書かれた小説ですが、現代に実現・実用されてたテクノロジーがいくつも出てきます。ハインラインの想像力には脱帽します。ハラハラドキドキ・最後はスッキリする作品だと思います。あと猫と主人公の友情がとっても素敵です。
月は無慈悲な夜の女王
月で暮らす人々はとても厳しい環境であるにも関わらず、地球の植民地として圧政に苦しんでいました。月の生活インフラを管理する人工知能に意思があることを知っていた主人公は、月に暮らす人達の市民権を得るために革命を起こしていきます。武器もない、宇宙船もない状況で人工知能と主人公はわずかな可能性に希望を持って綿密な計画を立てていきます。人工知能はとてもユーモラスで愛らしいキャラクターです。この作品は1965年に書かれました。アポロが月に行くより前に書かれた作品です。しっかりとした理論の上に構成された小説であるため今読んでもファンタジーにならない所がさすがのハードSFといった感じです。
フィリップ・K・ディック
ブレードランナーやマイノリティ・リポートなど数多く映画やドラマ化がされている巨匠です。「PSYCHO-PASS(サイコパス)」というアニメで槙島さんが最初に読むべき小説として「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を紹介してました。ディックは文学的・哲学的・精神的な内容が多い印象です。読み終わると、どっと疲れるときも多いいです。ディックはSF小説会のファッションという感じです。おしゃれです。ディックを読んでいるとかっこいい感じがします。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか
超有名な小説なので一度は読んでおきたい作品です。映画ブレードランナーの原作です。私は映画よりも先に小説を読みました。小説の重厚感というかワイルド感は素晴らしくってあとから映画を見ると映像は素晴らしいですがちょっと物足りなさを感じたくらいです。
ユービック
これぞフィリップ・K・ディック!という作品です。現実世界がどんどん崩壊し、カオスで虚構でエントロピー増大しまくりの内容でヘトヘトになります(これを通称「ディック体験」と言います)。超能力者が集まりアベンジャーズみたいな戦いが繰り広げられるかと思いきや・・・!ユービックとはなんなのか!? ディック読むならユービックは外せません。
火星のタイムスリップ
これもディックらしい作品です。読み進めていくと自分の精神力との戦いになってくるような作品です(でも愛好家にとってはライトな方だという意見も)。ぜひチャレンジしてほしいです。ディックの作品のなかでもトップクラスの完成度だともいます。ガブル・ガブル・・
高い城の男
第二次世界大戦で日本とドイツが勝った世界(もしアメリカが負けていたら)を舞台に繰り広げられる虚構性あふれるパラレルワールド作品です。アメリカではとっても評価の高い作品みたいです。謎の小説家が書いた本を中心に話が進みます。でも日本人からするとちょっと感覚的なズレがある部分もあるかもしれません。Amazonプライム・ビデオでドラマ化されていますが、ドラマとは内容が結構違うので両方楽しめます。
宇宙の眼
ビーム加速装置が暴走してしまって異世界に飛ばされてしまった人たちの話。こちらもパラレルワールド系でたっぷり「ディック体験」を得られますがどちらかというと初期の作品というこもあり優しい感じです。ディック入門にいいのかもしれません。
ジェイムズ・P・ホーガン
これぞハードSFです!!元DECのセールスマンだった著者は科学的合理性に欠けているものについては一切信じない人だったようで、ホロコーストや地球温暖化についても懐疑的だったらしいです。
巨人たちの星シリーズ
人類が本格的に月面基地を作り始めた時代、月の裏側で一人の人間(DNAが現代人と完全一致)の遺体が発見されます。この遺体は死後5万年が経過していることがわかりました。彼はいったい誰なのか?どこから来たのか?世界中の叡智が集結し研究が始まります。はっきり言ってものすごく面白いです!本当に一押しです。「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」と続きます。
ジョージ・オーウェル
1984年
20世紀最高傑作といわれるクラスの小説です。ディストピア系譜を引く内容ですが、まだ読まれたことが無い方はぜひ一度は必ず読み切ってほしいと思う作品です。世界中の小説や文学に多大な影響を与えています。村上春樹さんのオマージュ「1Q84」は有名ですが、たくさんあるSF小説のなかでもこの作品について触れるものがとにかく多いです。前述のアーサー・クラークですら晩年の作品でニュースピークやビッグブラザーについて触れています。ビッグブラザーはあなたを見ています。
ウイリアム・ギブスン
ニューロマンサー
もうこれは説明不要ですね。サイバーパンクの先駆け、金字塔です。現代の近未来的SFの多くがこの小説に影響されているといっても過言ではありません。30年以上前の小説です。はっきり言って読みにくいです。私達は映画マトリックスやアニメ攻殻機動隊を知っているので、30年以上前に読んだ人たちはもっとたいへんだったかもしれませんね。本当に天才です!ジャックイン!
グレッグ・イーガン
現代の天才SF作家!覆面作家としても有名!数学・ナノテク・量子論・宇宙論に精通。
ディアスポラ
人類のほとんどが肉体を捨てコンピュータの中で暮らしてる未来(肉体人もいます)。コンピュータのなかで生まれた孤児の成長を通し物語は進んでいきます。人類は自己の生をどうやって規定するのでしょうか?自分たちの宇宙にとっての存在とはなんなのでしょうか?みたいなことがテーマです。超重厚な内容です。正直、半端なく難しいです。最初読んだときは途中でリタイヤしてくなりました。上級者向けかもしれません。
順列都市
これもディアスポラと同じようなテーマですが、自分自身をコンピュータにコピーすることができる未来の話です。アイデンティティや哲学的な議論はイーガンの真骨頂という感じです!超面白い理論(アイディア)を読者に提案してくるような内容です。こちらも正直にいうとかなり難しいです。私ももう一度ちゃんと読み返さなくては。自信無くなってきました。
ブライアン・W・オールディズ
地球の長い午後
人類が繁栄していた時代から何十億年もたった未来の地球の話です。今、地球を支配しているのは植物です!超凶暴な植物から逃げ回る人間はまるでアリンコのようです。サイバーパンクやハードSFが好きな人にとってはファンタジーすぎるかもしれません。けれど全然優しさなんかありません。面白いです。えー!っていうのが何度かあります。
アルフレッド・ベスター
虎よ、虎よ!
誰でもトレーニングをするだけで、まるで教習所に通うくらいの感覚でテレポーテーションができるよになる未来世界の話です。主人公は強烈な孤独体験から激しく復讐に燃える男です。冷静に考えると、誰でもテレポーテーションができるようになったら、今のセキュリティーは一気に崩壊しちゃいますよね。主人公の心の苦しみや叫びの描写が独特で、恐怖を感じます。でもスピード感もあって面白い作品です。
伊藤計劃
2009年に34歳の若さで亡くなった日本の天才SF作家。伝説となった作家さんです。もっともっとたくさん書いてほしかった。
虐殺器官
近未来の話。9.11以降、人類はテロを征服しようと努力します。しかし第三国では一行に紛争や殺戮はなくなりません。アメリカの特殊部隊に所属する主人公は、世界の殺戮の中心にいつも必ずいる一人の男を追いかけます。人間の本質を問う作品です。非常に読みやすいですし、ストーリーと表現が抜群でテンポもいいのでサクサク読めます。
ハーモニー
虐殺器官とは同じ世界の未来の話です。核戦争を経験した人類は、肉体的にも精神的にも「優しい」世界を作り上げました。病気もないしストレスもないし見かけ上は差別もありません。ユートピアです。そんな天国みたいな世界で息苦しさを感じていた2人の少女が主人公です。表現手法が独特ですがこちらもストーリーが抜群でとても読みやすいです。アニメもありますが、アニメと小説の世界が完全に一致しているので手っ取り早く世界観を感じたければ映画を見てもいいかもです。貴方の意思はどこから来るんだろうね。
今日読んだ本
Final Anchors
今朝、出勤前にキンドルで読みました。「ファイナル・アンカー」
交差点でクルマどうしが衝突するまで残り0.5秒。既に人間の反応では間に合いません。このままでは確実に両方の運転手が死亡します。それぞれのクルマに搭載されたAIは、一方は助かるがもう一方は確実に助からないという究極の選択を審議しはじめます。
30分くらいで読める短編ですが、めちゃくちゃ良かったです!このテーマは今まさに現実の世界で色々議論されているものだけにとてもリアリティーを感じました。
noteってとても書きやすしインタフェースですね!