RELAYレジメンを活用できていますか?
2019年Lancet Oncol誌にEGFR陽性非小細胞肺癌に対する1次治療でのエルロチニブ+ラムシルマブの効果をみた第3相試験『RELAY試験』の結果が報告されました(Lancet Oncol 2019;20:1655)。約450例の症例はエルロチニブ+ラムシルマブ群とエルロチニブ+プラセボ群に1:1で振り分けられ、主要評価項目の無増悪生存期間PFSが評価されました。
『RELAY試験』の結果はPFS 19.4カ月 vs 12.4カ月(HR 0.59、p<0.0001)であり有意に対照群を大きく引き離した結果が報告されました。また日本人サブセットにおいても19.4カ月 vs 11.2カ月とグローバルの結果と大差ないことが示されました。
現在の『肺癌診療ガイドライン』においてはPS良好なEGFR陽性非小細胞肺癌に対してはオシメルチニブ(タグリッソ®)が推奨度1B(推奨の強さ:1、エビデンスの強さ:B)と記載されており、推奨の一番上に書かれていることもあることから多くの実臨床の現場ではオシメルチニブが1次治療として処方されるケースが多いことと推察しています。
ただし少し問題となっているのは『FLAURA試験』をみますと、アジア人・非アジア人、あるいはエクソン19欠失変異(del19)・エクソン21 L858R変異(L858R)によってオシメルチニブの効果が若干異なることです(NEJM 2020;382:41)。記憶に新しい(?)2019年の肺癌学会で報告された120例の日本人サブグループを対象にしたオシメルチニブの1次治療の生存曲線は約2年次のところで曲線がクロスしてしまい…「あれあれ?ホントにオシメでいいの?」と強く感じたのはわたくしだけではないはずです。
話は元の『RELAY試験』に戻りまして、このエルロチニブ+ラムシルマブの組み合わせはdel19変異でもL858R変異でもPFS 19.6カ月、19.4カ月とEGFR遺伝子変異別の大きな違いを認めませんし、先に示したように日本人サブセットでも結果を残しています。del19変異はオシメルチニブ単剤でも効果が期待できるとして、L858R変異の場合には1次治療の選択肢はオシメルチニブ一択でいいかどうかは真剣に考えるべきです。特にこの日本で診療にあたっている以上は尚更です。
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