ISHIYA私観ジャパニーズ・ハードコア30年史外伝〜「失った右手が掴んだもの」マサミ伝〜#7 居心地の良い場所
「#7 居心地の良い場所」
それまでいい思い出がほとんどないどころか、散々な目に遭い続けた地元を出て東京に移り住んだマサミだったが、20歳ぐらいになるまでの期間は謎に包まれたままだ。いくら探してみても、その時期の知り合いにはたどり着かない。
しかしそこでマサミに変化があったことは確実だろう。それまでとは違った自分を手に入れる最中であったマサミだと思われるが、20歳のころ、運命的とも言える出会いがある。その出会いによって、マサミの生き方が決定づけられたのではないかと思える。
1970年代後半から1980年頃にかけての東京では、ディスコがブームとなっていた。当時の若者たちは、週末ともなればディスコへ出かけて遊ぶのが当たり前であった。要するに今のクラブと同じである。
表向きには18歳未満は入場禁止のために、原宿の歩行者天国で高校生を中心とした竹の子族が流行ったのも、ディスコブームによる産物だろうと思われる。
週末だけでは飽き足らず、ほぼ毎日のようにディスコに出入りする常連客も数多くいた。中でも新宿には非常に多くのディスコがあり、マサミもそんなディスコ常連客の若者のひとりになっていた。
30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!