ISHIYA私観ジャパニーズ・ハードコア30年史外伝〜「失った右手が掴んだもの」マサミ伝第2章〜#4 新たなる友との出会い
「#4 新たなる友との出会い」
83年6月に、ようやくTHE TRASHのボーカルとしてステージに立ったマサミだったが、自らのバンドに対する姿勢によりクビになってしまう。
自分が初めてバンドを組んだときを思い出してみると、スタジオでの練習は非常に面白く新鮮で、音楽というものを通じて仲間同士ひとつのことに打ち込める楽しみにのめり込んでいた。一般的にもバンドをやっている人間であれば、多かれ少なかれそういった部分は多いと思う。
しかし、それまで奔放に生きて来たマサミにとって、たとえ自己表現として選んだ手段のバンドだとしても「スタジオで練習する」という、バンドマンにとって当然の行動が、決まった時間に決まった場所に行き、決められたことを行うという窮屈な行動と感じたのかもしれない。
確かにこの一連の動作は、学校や仕事勤めなどの社会的な行動と同じではある。そうした社会的行動を窮屈だと感じる部分が、マサミのパンクスたる所以なのかもしれない。
しかしTHE TRASHをクビになったことで、常に一緒に遊んでいた仲間たちと疎遠になってしまう。いつも一緒に遊んでいた仲間たちと疎遠になるというのは、それまでの自分にぽっかりと穴が空いたような気分だったかもしれない。しかしマサミは、この時期に新たな交友関係ができることとなる。
30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!