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#24 カナダの盟友との出会い

人物、バンド名等説明
・ ロブとライアン
:フィラデルフィアから東海岸終了まで運転手をしてくれたコンビ。
・ PAINT IT BLACK:2000年代初期に活動していたフィラデルフィアのHARD CORE PUNKバンド。
・ アンディ: 1990年代後期からバンド活動を始めたPAINT IT BLACKのベーシスト。ストレートエッジでもある。
・ CAREER SUICIDE:2001年にカナダのトロントで結成された HARD CORE PUNKバンド。ギターのジョナはFUCKED UPでドラムも叩く。
・ UPSTAB:2004年前後に活動していたオハイオのHARD CORE PUNKバンド。
・ SUBHUMANS:1980年イギリスで結成されたHARD CORE PUNKバンド。アナーコPUNK(アナキスト PUNK)の代表的存在。
・ TRAGEDY:1999年にHIS HERO IS GONEのメンバーを中心としてオレゴン州ポートランドで結成された、アメリカを代表するD.I.Y HARD CORE PUNKバンド。JAPANESE HARD COREからの影響が大きく、ギターのトッドはボーカルとしてWARCRYでも活動し来日経験もあり。
・ SIGNAL LOST:2003年ごろから活動していたテキサス州オースティンのメロディックHARD CORE PUNKバンド。
・ アシュリー:背中にTHE COMESと書いてある革ジャンを常に着用する、SIGNAL LOSTのボーカルの女性。当時はフィラデルフィアに住み、後にオースティンへ移住。その後ワシントン州シアトルへ移住。

#24 カナダの盟友との出会い

 ライブがあるペンシルベニア州のフィラデルフィアの会場に到着すると、大きなバイク屋のガレージだ。当時、バイクに乗っていた俺は国際免許を取得していて、アナーバーでバイクを運転させてもらった。しかし右側通行に慣れず、運転するのは危ないと思っていたので、カッコいいバイクを目の前にウズウズする気持ちを抑えて、物販の準備をしていた。売りやすいようにTシャツをくるくる巻くブリトーロール(メキシカンフードのブリトーに似ているためこの呼び方になる)にしていると、知らないアメリカ人が一緒に作業してくれるではないか。
 この日は出演バンドが多く、バンドごとに機材を搬入していたため、機材を借りる俺たちは搬入を手伝ったりしていた。「お返しにやってくれるのかな?」と思っていたら、この日から運転してくれるロブとライアンだった。
 シカゴの奴らしいが、シカゴから一緒ではなく、なぜ東海岸からなのかはよく分からない。しかし、いつの間にか仕事を手伝ってくれるとは、なかなか気が効くいい奴らじゃないか。

 作業前に、ブリトー巻きに必要なテープを買いに街へ出た。ここまで運転手をやってくれたベンと街を散策してみたのだが、なかなか危険な場所の雰囲気がプンプン漂っている。
 建物の窓に鉄格子があり落書きが多い。吸い殻が散乱しゴミが多く、ホームレスも見かける。個人的感覚で「これは一般的な観光客は絶対に足を踏み入れない地域だ」と感じるほどの、日本にはない雰囲気の街だった。SOUICHIも「この辺は危ないかもね」と言っているので、まぁ間違いはないだろう。
 観客の中にも、俺たちに英語がわからないと思ってあからさまに「ジャップ」と言っている奴もいるなど、雰囲気も今までよりは差別的な感じもある。いやぁどんどんアメリカっぽくなる。俺は食わなかったが、名物のチーズステーキサンドもかなり美味かったようだ。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!