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[読書ログ]「あんたがサンタ?」

「あんたがサンタ?」
作: 佐々木 マキ
出版社: 絵本館

あらすじ

のりものよいをする、ソリからおちる、
金星人にさらわれる、日にちをまちがえる、
酒場にたちよる、トナカイにこきつかわれる、
おなじ家になんども行ってしまう、北極へ帰れない...。
そんなサンタたちをたくさんご紹介する絵本。
まさしく「こまったサンタの実例集!」

よみおわったときに言いたくなるひとことは、え~っ!「あんたがサンタ?」(絵本ナビより)


感想

※ネタバレしかありません。注意。

図書館に行くと、かならずどこかの親子が佐々木マキさんの本を探している。
そういうシーンに三回くらい出くわしているので、すごく人気なんだろうと思って読んだ。

絵本としては、ストーリーはほぼなく、こんなサンタはいやだ!というシーンが延々と書かれている面白い絵本。

佐々木さんのひょうひょうとした絵と内容がマッチしていて、くすっと笑ってしまうような独特のセンスがある。

サンタネタというのはなかなか難しい題材だと思っていて、どんなふうに描くんだろうという好奇心が大きかったが、すでに子どもたちのなかにサンタ像があるのを前提として、こういうサンタはいやだよね、という笑いに繋げている。
そこにサンタはいるとかいないとか、そういう話を持ち込んで来ないのがいい。

それぞれのこころのなかにあるサンタに対して語り掛けているかたちだからいいのだと思う。そして、こんなサンタがいたら楽しいな、いてほしいなと思わせるのだ。


個人的には最後から2ページ目が良かった。

「北極へ帰れない」

「とちゅうで雪だるまになってしまう」

ときて、最後に、

「サンタクロースを信じていない!」

となって、終わる。


サンタがサンタを信じていないってどういうことだ?となるのか、
今まで読んできたサンタはサンタじゃなかったの?となるのか、
実はこころのなかのサンタ像はサンタとは違ったの?となるのか。

それをすべて読者の想像に託して、プレゼントを落っことしながら歩いていくサンタの後ろ姿がまた、抜群にキュートだ。

さすが、佐々木マキさん。

表紙絵の子どもの顔にらくがきをするサンタがこれまた斬新で良い。

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