異世界ファンタジー今昔物語
「転生したら○○だった」
所謂”異世界転生”ものが流行りだしてから結構経ちます。
一時期は右も左も異世界転生でしたが最近はだいぶ落ち着いてきた印象ですが、まだまだ人気のジャンルであり新作アニメも次々と制作されています。
思い起こせば80・90年代のアニメシーンにも異世界ファンタジーはたくさんありました。
しかし現在のものとは重要な部分が違っていました。
あくまで私見ですがその違いを挙げてみましょう。
現在の異世界ファンタジーは現実世界からファンタジー世界への「転生」が主流。
たとえば「トラックにひかれて死亡。気が付いたら異世界に転生していた」など。
現実世界の主人公はモテない・陰キャ・運動できないなどの負け組。
良い思い出がないので現実世界に未練はなく帰還の意志はない。
一方昔の異世界ファンタジーは現実世界からファンタジー世界への「召喚」が主流。
たとえば「突然光に包まれて気が付いたら異世界に召喚されていた」など。
現実世界の主人公はモテる・陽キャ・運動神経抜群などの勝ち組。
現実世界で充実した日々を送っていたので帰還したい。
いつの時代でも異世界ファンタジーものは数多く制作されるのですべてが当てはまるとは言えませんが、そんなに外してないと思います。
創作物は時代を映す鏡。
視聴者の願望が色濃く反映されている作品が支持されます。
同じような異世界に飛ばされる物語でも制作される時代によって根本的に違う展開になるのは当然なのでしょう。
バブル末期とは言えまだまだアゲアゲだった昔と、暗いニュースばかりのサゲサゲの今。
たかがフィクションと切り捨てられない切なさを感じてしまうのは私だけでしょうか。
ある日突然異世界に飛ばされたとしても、元の世界に戻りたいと願えるように日々を大切に過ごしていこうと思う今日この頃です。
ちなみに昔の異世界召喚もので好きな作品は、
『魔神英雄伝ワタル』『聖戦士ダンバイン』『NG騎士ラムネ&40』
ですね。
いずれもハッピーエンドで無事帰還……できない作品も一つ含まれています。
ネタバレになってしまうのでどれとは言いませんが。