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ビックリマンチョコの美しい思い出

古くは「仮面ライダーチップス」から始まる、オマケが本体の価値を凌駕してしまうという逆転現象。
私の時は「ビックリマンチョコ」でした。
現在だと、ゲームで使えるダウンロードコード付きのBlu-rayディスクでしょうか。

「仮面ライダーチップス」の場合はオマケのはずのカードが主役となり本来はメインであるはずのお菓子が捨てられてしまうという社会問題になっていたそうです。

「ビックリマンチョコ」の時ももしかしたらあったのかもしれませんが少なくとも私の周りではありませんでした。
そもそも大人気で購入に個数制限があり思う存分買えない状況でした。
「1人1個まで」が基本で「3個まで」のお店を見つけたときはなんて優しいところなんだと感動したものです。
そのような状況の中でも「箱買い」いわゆる大人買いをしてくる猛者もいて、その当時では英雄扱いです。きっと上級国民だったのでしょう。

私は平均的な一般家庭だったので箱買いはできませんでしたが、1~3個と1回の購入数は少なくても生来の小食のせいでウェハースチョコを食べきれずドンドン溜まっていく一方でした。
それを見かねた親から密封性の高い瓶を渡され「この瓶に入るまでしか買っちゃダメ」と上限を設けられてしまったのも無理からぬことです。

今ならば納得しかない親の行動ですが、当時の私はなんて残酷なことをするんだろうと憤慨したものです。
購入制限があっても即売り切れてしまうビックリマンチョコです。まさに一期一会というやつで見かけたら確保しなければ次はいつ買えるのかわかりません。

幼い私が悩んだ末に出した結論は、「誰か他の人に食べてもらえばいいじゃない」でした。天啓キタコレ。
ちなみに買わないという選択肢は一ミリもありませんでした。
学校帰りの「今日はどこで遊ぶ?」という問いかけに「今日はウチで遊ぼうぜ!」と巧みに皆を誘導。
問題は食べてくれるのか、それも何枚も。

結局心配は杞憂に終わり、出せば出した分だけ食べてくれる友人たち。
うまいうまいと頬張る姿にニヤリ・・・いやニッコリとする私。
まさにwin-winな状況です。
訪れた友人たちへのおやつがビックリマンチョコに決定した瞬間でした。

味を占めた私は同時に販売されていた「ビックリマンアイス」も同じ手口でさばこうとしましたがこれは失敗。
食べ盛りの子供とはいえさすがにアイスを一度に何本も食べられるものではなく非情にも断られてしまいました。残念無念。
なのでアイス版のシールはほとんど持っていませんでした。

当時、チャンスを逃すことなくシールを集めることができたのは友人たちのおかげです。感謝感激です。アイス版を集められなかったことなんて全然気にしてないですよ?

懐かしい、幼いころの純粋で美しい思い出です。

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