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歌舞伎 NEXT『朧の森に棲む鬼』 悪い男は華がある

2024年12月某日、朧の森に取り込まれて参りました。(松也ライ回)

本作の主人公ライはド悪党。自分の野望の為に悪行の限りを尽くす男ですが、

いやーーーーーーかっこいい!!!!

最初から「主人公は悪人です」と分かった上で進める物語。ド悪人を主人公に据えるには、悪を主人公たらしめるだけの説得力がなくてはなりません。それを叶えるのが滲み出る危うい色気

ほぼ場面毎に変わってるんじゃないかというライの衣装のように(これまた豪華!)、彼が物語で咲かせる悪の華にも様々な段階がございます。悪党とも呼べぬ下賤な男から、もはや人ならざるモノまで。マイベスト畜生ポイントは、一幕終わり近くのサダミツとの場面でした。地べたを這う者から一国の将軍に成り代わる瞬間。サダミツに刃を突き立てながらその座を手に入れる瞬間のライには、目を背けるべき醜さなのに目を離せない魔力的な美しさが宿っていました。私もその顔で豚野郎と罵られたい。

2月には博多座公演も控え、おそらくシネマ歌舞伎にもなるでしょう(熱烈希望)
再び朧の森の扉に踏み入れる機会を願って!

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