『不快なものに対応する3つのステップ』
人は、「見たまま、聞いたまま、感じたまま」に反応するようにできています。
なぜならば、人は第一印象が大切と言われるように、最初にもったイメージをずっと持ち続けてしまうからです。
実際は、「そんなことはない」「違う見方もできる」というように頭では分かっていても、一度イメージするとなかなかそのイメージを消すことができません。人それぞれ見方、聞き方、感じ方があります。
その時々に感じた直感は、その人のこれまでの人生経験や身に付いた感覚が無意識に反応する大切なものではあります。
しかしながら、その時に気をつけたいのは、その直感にとらわれ過ぎると固定観念(思い込み)が強くなったり、視野が狭くなったりすることです。
そんなイメージにどう対応すればいいか、考えてみました。
◆ 人はイメージした通りに反応する
人はプラスやポジティブなイメージをもてば、いい反応が起こります。
反対にマイナスやネガティブなイメージをもてば、良くない反応が起こります。
人は、イメージした通りに心と身体が反応するようにできています。
例えば、
新しいきれいな建物や、きちんと整理整頓されている場所にいる時は、気持ちいいし、落ち着いて過ごすことができます。
反対に、汚れた、乱れた場所に入った場合、特に臭いや雑音などがあると、つい心や身体がイライラムカムカ落ち着かない反応してしまいます。
以前、ある場所に行った時に、清潔な状態での利用を促すためか、「過去の汚れた状態の写真」を張っていました。
「今は清掃して、いい状態にあるけれども、このような状態にしないで欲しい」というメッセージや、こんな状態にする人は許せないという見せしめのようにも感じ取れました。
一瞬見ただけで、その写真から離れることができれば、気にしないで済みます。しかし、ずっと目の前にあって視界に入ると気分が悪くなってきます。
知らずに入った人にとって、その画像を見るだけで、不快のイメージに身体が反応して、落ち着くことができなくなるのです。
管理担当者の苦労も分かりますが、不快のイメージがあると、その場所にいること、行くことが苦痛になってしまいます。
一つのイメージができ上がると、心と身体は反応してしまいます。
◆ 一度イメージしたものは、元から立たなきゃダメ
人は、「嫌だ、苦手だ、嫌い」な人や場所や物に対して、一度イメージをもってしまうと、なかなかそのイメージを払拭することは難しいです。
そのイメージが残っているうちは、心と身体が反応してしまいます。
生活する上で、支障がなければ問題ありませんが、支障がでるようなら対策をとる必要があります。
たとえば、職場で白いワイシャツを黒インクで5ミリほど汚してしまった、とします。
その黒い汚れをどうにか処置しないうちは、気になって落ち着きません。
汚した場所によっても違うと思いますが、人の目につく目立つ場所であれば、気になるのも当然です。
その汚れを何とかしないと落ち着いて着ることはできません。
その時の対処法として考えられるのは、3つあります。
1 消す
2 塗る
3 諦める
1から順番に試していって、どうしようもないと思った時に、最終的には「諦める、手放す」という対処をとるイメージです。
◆ 不快なものに対応する3つのステップ
先ほどのシャツと同じように、不快なものに対応する3つのステップを「消す、塗る、あきらめる」として考えてみます。
・ 消す
「消す」というのは、「イメージを消す」ということです。
なかなか頑固な汚れが落ちないように、人のイメージも消すことはなかなか難しいですが、努力をすることは必要です。
この場合、距離をとるという方法があります。
「近寄らない、意識を他のことに向ける」などの、心理的や物理的に距離をとることで、だんだんイメージを消していく様に努力することです。
・ 塗る
それが出来ない、ちょっと無理があるという時には、次の対処法の「塗る」です。
塗るというイメージは、イメージの上書きすることです。
汚れ自体を消せない時には、上から色を塗って、目立たない様にする方法もあります。
それと同様に、「不快」の記憶のイメージを「快」のイメージを持つようにして、上書きし続けることも1つの方法です。
「目立たないところでよかった」
「これなら大丈夫」
「後は帰るだけだから」
などと、後悔や不満の感情を上書きしていくイメージです。
・ あきらめる
それでも改善しない時は、最後の手段、「あきらめる」です。
あきらめるとは、「諦める」という最善を尽くしたけれども、どうしようもない場合は、諦めて手放し、新しい別のシャツを準備するイメージです。
「やってしまったものは仕方がない」
「ちょっと不注意だったな」
また、「明らめる」という方法もあります。
「何とかしたい、もったいない」という、こだわる気持ちもあると思いますが、今の状態の中で「できることはできるけど、できないことはできない」と現状を受け入れて、今の自分の状態を明らめることも必要です。
明らめた結果、「替える(変える)、手放す、頼む」などの具体的処置ができるようになります。
一度イメージをしてしまったものを、そのまま受け入れて耐えるという方法もありますが、耐える、ガマンすることで、不具合が生じる場合は、何らかの対処が必要です。
なかなか全てがいい方向に進むことは難しいこともありますが、自分なりの対処法があると、いざという時に役に立ちます。
自分なりの方法を考えてみては、いかがでしょうか。
◆ まとめ
・人は、一度気になることがあると、なかなか消せないもの
・そのまま、「耐える、ガマンする」という方法もあるが、日常生活に支障が出る場合には、対処が必要。
・「消す、塗る、あきらめる」など自分なりの対処法を準備しておくと、少し楽に生きられる。