折本龍則「千葉県政から日本を建て直す!」(『維新と興亜』令和5年5月号)
先の四月九日投開票の千葉県議選で初当選させて頂いた。ご支援を賜りました全ての方々に衷心より御礼感謝申し上げます。
本選挙戦においては、「既成政党によるしがらみ政治の打破」を掲げ、自民、立憲、日本維新の公認候補者を相手に、完全無所属の立場で戦いを挑んだ。自民党は旧統一教会とのしがらみが明らかになったが、宗教との関係でいえば公明党の支持母体である創価学会との癒着こそ最大のしがらみである。少なくとも憲法改正を党是に掲げる自民党が、改憲に反対している公明党と二十年以上にわたって連立与党を組み、国土交通大臣が同党の議員で占められ続けている事実は我が国の政治を歪めている。また立憲民主党も、最大の支持母体である連合の意向に左右され、連合が与党にすり寄るのと歩調を合わせるかのように軟化し、政権奪取のために自公政権と四つにくんだ命がけの権力闘争をする気概も気魄も全く感じられない。日本維新の会は、所詮は第二自民党であり、「身を切る改革」と称しながら、実際には国民の身を切る新自由主義改革を企んでいる。こうしたなかで、もはや既成政党には日本を任せられないという国民の不信と諦め、怒りが渦巻いている。
特に地方政治においては、本来、国政政党は関係がない。地方自治体の首長と議会は独立対等な関係(二元代表)で対峙せねばならないが、首長と議会最大会派が同じ党派に属したり、党派間の駆け引きが介在することで、両者の馴れ合いや忖度、しがらみが生まれやすくなる。こうした弊風を打破し、政党やその支持母体になっている特定の組織団体の代弁者ではなく、真の市民の代表者として公正な政治を実現すべく立候補した。周囲からは政党相手に勝ち目がないからやめておけと言われていたが、氏神である清瀧神社で必勝を祈願し、「いざ桶狭間」の心境で出陣した。九日間の選挙期間中は街宣車には乗らず、演説マラソンで240キロを走り通した。結果は立憲を破り自民候補に肉迫する1万4940票を得ての二位当選であった。勝因は色々考えられるが、まさに神明のご加護を受け神風が吹いた結果であると受け止めている。
私はこれまで「浦安から日本を建て直す」という志のもとに、浦安市議として活動させて頂いたが、これからは千葉県政というステージで、17万市民の代表者として、インフラ整備や災害対策、教育改革など、浦安市政だけでは解決できない課題に取り組んで参りたい。しかし、その根本にある「日本を建て直す」という志は一貫している。
日本がこれから誇りある道義国家として存続していくためには、第一に、アメリカ依存の国防体制から脱却し、憲法と日米安保条約を改正して自主国防体制を構築せねばならない。しかしそれはアメリカと対立するという事ではなく、自立した対等な関係になるという事だ。そのうえで我が国は、現在のような覇道国家同士の力の均衡に基づく薄氷の平和を超えて、アジア民族の独立と連帯に基づく道義的秩序の構築に主導的役割を果たすべきである。第二に、祭祀主であらせられる天皇陛下のもとで国民が「億兆心を一にし」、往古の国体精神を恢復せねばならない。これには教育行政の主体である県政の改革が不可欠である。私が県政を志した大きな動機の一つである。第三に、外国勢力と結託し、国民同胞の富を吸い上げる寄生虫のような「獅子身中の虫」を駆除し、天皇陛下のもとで公正平等な我が国本来の政治の姿を取り戻さねばならない。
また、明治以来の官治集権、東京一極集中、グローバル資本主義から脱却して、自治分権、社稷自治(農業と信仰に基づく共同体)、農本主義に基づいた国づくりを推し進め、国家と個人の中間にある家族や故郷、地域社会といった伝統共同体の自律性を高める必要がある。その点、浦安は父祖の生業である漁業を放棄し海面を埋め立てたため第一次産業がない。しかし、千葉県は豊かな瑞穂が実る有数の農業県である。よって県という広域自治体のなかで、食と農を通じて、浦安と近隣自治体を結びつけ、東京や外国資本に依存しない自律的なコミュニティーを構築していきたい。
今後も道義国家日本の再建のために、千葉県政から日本を建て直すべく挺身努力して参る所存である。