はげしくはげましたい
毎朝の歯ブラシ。鏡をふと見て、ほうけた顔。
白髪が増えてきたな。分け目も薄くなってきてる?
大丈夫?という話ではありません。
新聞記事を書いていてよく間違える“あるあるワード”に「げきを飛ばす」があります。
これの意味は「励ます」ではないのです。
私たちの聖典、記者ハンドブックを引用しますが、
~「げきを飛ばす」は本来、激励の意味ではない。自分の主張を強く訴え広く決起や同意を促すことで「檄文(げきぶん)」はその文書~とのこと。
新聞では、わざわざ、ひらがなで書くように決まっています。
あるある第一関門。わりと「激」を飛ばす、と書きがち。さまざまなメディアで間違いが散見されます。正しくは「檄」。
そして第二関門は用例です。
よく使いがちなのが、激励という意味で使う「主将がチームメートに(激)を飛ばす」。上に書いたのでお分かりかと思いますが、キャプテンは特に決起を促したり、自分の考えを広げたいと思っているわけではないです。むしろ逆の発想。そして漢字も間違うというなかなかの間違い。
新聞や本を読んでいて、わざわざひらがなを使ったりするのには読みやすさ以外にも理由があるのです。
偉そうに書いていますが、自分もそこそこ間違えます。
実際、いくつかnoteに投稿していますが、読み直すたびに再校になってしまいます。まあ、それが紙メディアではできない、良さなんですが。キリがないと思ってしまいます。
自分は間違えながら、経験を重ね、結果的にミスを少なくしていくタイプ。
新聞記事を書いていたころは毎日がヒヤヒヤです。自分も含めて、さまざまな目や手で何度も何度もチェックしますが、「うぉー‼︎なぜだ―⁉︎」と思うような誤字脱字、思い込みが世に出てしまうことがあります。お金をいただいて情報を提供する、人の事を書くという責任が常にそこにはありますが、ミスとの戦いに終わりはありません。
檄文なのか、激励なのかが必要なぐらい落ち込みます。
ただ、言葉は面白い。
「励ます」と書きたいとき、応援、元気づける、やる気にさせる、気合を入れる、勇気づける、がんばれ、負けるな、大丈夫!痛いの痛いの飛んでいけ!早く良くなってね。などなど、ほかにも無数にあると思います。
誰かに元気になってほしいとき、どれを使うか。
本当に言葉って面白い。
夏バテや雨、病に負けないで、がんばりましょうね。