近惚れの早飽き
仕事の中に隠された技を見つけることが好きだ。
あっという間だけど、ほどけないロープの結び方。
輪を作ってキュッと。ちゃちゃっとした素早さだ。
正確無比は当たり前。
なおざりにみえて、まずほどけない。
しかし、ほどくとなると一瞬だ。
護岸に係留された不安定な小舟。
飛ぶように船べりを走る漁師の身軽さ。
京都の五条大橋の牛若丸とか。そんな感じ。
努力のたまものだけど、早送りのようなカキむき作業。
愛用のナイフがカキの殻に入り込む。
楽しそうにカキの身がぴょんぴょんと容器に入る。
柔らかだけれど厳しい目つきで作品に挑む硯職人。
操るノミの繊細さと力強さも。
シュッシュッ。ゴリゴリ。音が一定で、心地よい。
匠を感じるのは、リズムに乗った隠し包丁。
能率というか、剣禅一致というか。
声をかけるのもはばかられるような、集中力。
時が止まったかのように、繰り返される作業。
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子どもの頃は、自分もいつかはそうなるのかな、何になるのかなと、思っていて、結局今は新聞社で働いている。
指定された字数で原稿を書く人にはなったが、職人になったという感覚はあまりない。
このnoteに代表されるように、この世の中は誰もが気軽に発信できるようになっていて。
話を聞くチカラ、書くチカラ。伝えるチカラ。
「幸せな仕事。喜怒哀楽や明日のこと」
働くことは美しい。
そうなりたいけれど、
お金をもらうということは大変だ。
季節の変わり目。
皆さん体調に気を付けて働きましょう!