電子帳簿保存法について個人農家向けに
2024年1月から電子帳簿保存法の制度の一つである「電子取引データの保存」が義務化された。税理士の方から聞いた話を個人農家向けに要約してお伝えします。
電子帳簿保存法の制度は大きく3つある。①電子帳簿等保存、②スキャナ保存、③電子取引データ保存。今回義務化されるのは③電子取引データ保存だけ。①②は任意なので今まで通りのやり方を変えたくなければ無視していい。
電子取引データとは、紙で保存していた場合に保存が必要な情報が含まれる電子データ。例えばメールで納品書・請求書・領収書等を受領するような場合やAmazonや楽天で個人ページから請求書等をダウンロードする場合。このデータをパソコン等に7年間保存しなければならない。
電子取引データをそのままダウンロードして保存すればいいわけではない。改ざん防止のための保存要件がある。保存要件は4つあっていずれかを行えばいいんだけど、そのうちの3つはタイムスタンプを押すだのとシステム導入のコストがかかってしまうため残りの1つを選ぶのが現実的。それが「正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規定を定め、その規定に沿った運用を行う」というもの。
事務処理規定のサンプルは国税庁のホームページ( https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm)にあるからこれを書き換えて保存しておけばいい。
電子取引データを保存する場合、可視性の要件というのもある。そのなかに「検索機能を確保すること」というのがある。これは税務調査の際に電子取引データを引き出しやすくするため。検索機能の要件は①取引年月日その他の日付、取引金額、取引先により検索できること、②日付又は金額の範囲指定により検索できること、③2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること。
じゃあ具体的にどうやってこの要件を満たせばいいのか。
①に関してはファイル名に日付・取引先・金額を入れればいい。「20240119_株式会社〇〇_150,000_請求書」みたいな感じ。
②は課税期間ごとにフォルダを作成すればいい。
③は課税期間フォルダの中に取引先フォルダを作成すればいい。
ちなみに税務調査の際にデータのダウンロードに応じる場合は②③不要とか色々あるけどここでは割愛。
あと相当の理由がある事業者は電子データと紙を保存しておけば改ざん防止措置や検索機能は不要とか色々あるけど割愛。
まとめ
・コストかけたくなければ国税庁のホームページから事務処理規定をダウンロードして書き換えたものを保存する
・電子取引データを上記のようにフォルダ分けなどをして7年間保存する
紙でやり取りしてるものはこれまで通り紙のままで大丈夫です。あくまでも電子取引データのみです。