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【芸術部 NY】地球上に2つだけの名品

Good Morning & Good Evening !
芸術部ニューヨーク支店の石村です。
 
隠れ家の一つなので、あまり教えたくないですが 笑
日比谷にある出光美術館の休憩スペースは穴場です。
ゆったりと椅子に座り、都会のオアシス日比谷公園と皇居の木々の美しい景色を眺めつつ無料で提供されている紅茶やお茶をいただきながら、ぼーっと人生について考えることができます。
 

今回は、そんな素敵な出光美術館とニューヨークのアートな繋がりを、皆さまにお届けいたします♪♪

出光美術館 去年の夏の展覧会。
美術館の最も充実している分野である鑑賞陶器の展示を行っていました。
 
日本・東洋陶磁の精華―コレクションの深まり

展覧会のハイライトとなる作品の一つ青花龍文壺(せいかりゅうもんつぼ)。
中国 明王朝時代の宮廷御用達の窯で制作された磁器の中でも、きわめて質の高い名品とされるのがこちらの壺。深い青と白のコントラストが、非常に美しく、描かれている龍の顔が愛らしく感じられる作品です。

出光美術館 青花龍文壺 景徳鎮官窯 中国 明「宣徳年製」銘(1426 - 1435)

見つめれば、見つめるだけ可愛さが増してくる龍の姿に、その全体像を追いかけたくて、壺の周りを5周しました。
(残念ながら出光美術館は展示作品の撮影禁止)
 
出光美術館の解説によると、こちらの青花龍文壺は、地球上に2つしか存在しない名品だそう!!
そして地球上に2つの壺の、もう一つの保管先は・・・・・・
 
ニューヨークのメトロポリタン美術館!!!
出光美術館の龍文壺は、METの龍文壺と一対をなしていたと考えられているそうです。

お待たせしました!!
こちらがメットに展示してある龍文壺!

作品は、MET2階のバルコニーに展示され、まるで青龍が1階の美術館の来館者を一望しているようです。
 
 
ただ、気が付いたことが一つ!!!
圧倒的に出光美術館が保管している龍文壺の方が、美しいということ。METの青龍は、出光美術館保有のものに比べて、全体的に青色の発色が薄く文様がぼやけているように感じられます。
 
一方、出光美術館の作品は、より濃い青色の発色が、龍の存在感と白地とのコントラストを一層際立たせており、非常に美しいです。

(The MET, Jar with dragon, China Ming dynasty, Xuande mark and period 1426-35)
写真では伝えられない青の発色と文様の鮮明さの違い。。

青龍の感動をMETでは味わえなかったことを残念に思いながらも、世界的に東洋陶磁のコレクションで知られている出光美術館を日本人として誇りに感じ、同時に、本格的な陶磁器の蒐集に務めた出光創業家や、彼らのアドバイザリーを務めてきた学者、アートディーラーの尽力に想いを馳せました。

いつか、出光美術館の休憩スペースで遭遇いたしましょう~
Have a good one♪♪

PS. 記事を配信した後に、読者の方より日比谷の出光美術館は、ビルの建て替えのため2024年の年末から休館しているとのご連絡をいただきました。ビルができあがるまで数年は、コレクション展が他の美術館や門司の出光美術館で開催されるのを期待です。(一応、石村の隠れ家は、守られた感じになりました。笑)