『治療難民』のバレエダンサーを救え!
いつも私のnoteをご覧頂きありがとうございます。
さて今回は『バレエ』についてです。
なぜバレエなのか?
実はバレエの競技特性を理解した医師や治療家が少なく、満足する治療を受けられない『治療難民』とも言えるバレエダンサーが多いのです。
私自身バレエの経験が無いので技術的な指導はできません。
ですが『ケガの専門家』として最低限知っておくべき用語や動作、どういったケガや障害が多いのか。
いまやコンビニより多い接骨院で少しでもバレエの知識を有し、より専門的な治療を受けれるようにすることで、行き場に困るバレエダンサーを減らすことが出来ると考えています。
そこで今回は、さまざまな問題点や基礎的なバレエ用語、起こりやすいケガのパターンなどを紹介していきます。
前半部分は、問題提起やバレエについて知ってほしいという想いから誰もが見れるようにしてあります。同業者だけでなく、一般の方や実際にバレエを習っている方、バレエの指導をしているがケガ人が多いなどの悩みがある方にも見て頂きたいです。
後半部分は実際に、どういうケガや障害が多いのか、不良動作からどんなストレスが考えられ治療家としてどう改善していくか、など同業者向けの内容となっており、有料範囲とさせて頂いております。
治療家としてバレエダンサーの治療に難渋している、相談されるがよく分からない、など臨床上困ったことや悩みがある先生は、ぜひそのまま読み進めてくださいね。
では始めていきます!
1、バレエのあれこれ
バレエというのは様々な国で進化、発展を遂げており、
という言葉があるくらいです。
バレエの本場、フランスやロシアではバレエダンサーはなんと『国家公務員』として特別な待遇を受けることが出来るため、そこまで登り詰めるために凌ぎを削り少数精鋭のいわば『国技』のようなものなのです。
では日本においてバレエはどのような位置付けなのでしょうか。
日本ではバレエは『習い事』として広く普及しており、2016年に行われた統計では35.8万人で実は世界一のバレエ人口を誇ります。
バレエ教室も約5000教室あると言われ、身近にバレエを習っている方も多いのではないでしょうか。
実はここに隠れた問題点が存在します。
2、バレエの問題点
ここで私が問題点として提唱したいのは、
バレエ教師の『約80%』はなんとバレエ指導者資格を持っていないのです。
学童期のスポーツにおいて公的な指導ライセンスが無いというのは各種スポーツで現在問題視されている部分でもありますが、ことさらバレエにおいては身体の知識を有する指導者が必要だと思うのです。
つまりバレエ経験者というだけで、ケガや障害についての知識が無く、
となっているのです。
これに加え、前述したようにバレエという特殊で特異的な種目の性質上、動作やルールに詳しくない医療人が多く、専門的な治療を受けることが出来ないバレエダンサーが多いということです。
2012年に『一般社団法人 映像実演権利者合同機構(PRE)』の委託調査にて『芸術家の健康に関する実態•ニーズ調査』というのが行われました。
この結果報告の中では、
・バレエによって起こる怪我や故障の治療経験がある人は95%
・バレエでの負傷部位は足、腰、膝、脚などの『下肢』に集中
・ケガの原因は『使いすぎ』と『疲労』で60.5%、技術的な失敗は19.4%
さらに、治療•リハビリで困ったことにおいては、
・保険が効かない高額な治療費
・仕事を休むと収入を失ってしまう等の金銭的な負担
・芸術活動の特性を医師、治療師になかなか理解してもらえない
このような解答が得られたそうです。
このアンケートから、バレエダンサーのほとんどはケガや痛みに悩まされるが、満足いく治療をなかなか受けれられていないという問題が分かりました。
当然バレエに限らず、全てのスポーツにおいて上記のような問題点は挙げられるでしょう。
野球、サッカー、バスケ、ラグビー、柔道、などメジャースポーツにおいては競技特性を理解した上で治療を行うことができる病院や接骨院が多いのを実感します。
ですがバレエはその競技特性を理解した上で治療を受けられる医療施設は非常に少ないです。
私がいま勤務している接骨院は三重県ですが、バレエの治療のために東京までわざわざ通っているという知人の話を聞いたことがあります。
こういった問題点をどうにかできないかと考えた時に、いまやコンビニより多いと言われる接骨院でバレエの競技特性を理解し、身近に相談できる施設としてできることは非常に多くあると感じました。
そういった想いから、以前JJTA(日本柔整外傷協会)という全国の柔道整復師の先生向けに『バレエダンスの競技特性と足部障害』というセミナーを行いました。
今回のnoteはこのセミナーで話した内容を元に解説していきたいと思います。
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