柔整師の登竜門、『肘内障』を攻略する。
何ごとでも『はじめて』というのは緊張するものです。
特に医療においてのはじめては『もし失敗したら…』という代償のデカさにビビります。
私たち柔道整復師がはじめてでビビるのはいろいろあると思いますが、個人的にはダントツで『整復』です。(この‘整復’とは骨折脱臼の整復のことです)
しかし免許取り立ての新人にそのような重大な行為を任されることは少なく、院長先生や先輩の処置を見て疑似的に体験したり、整復助手に入り徐々に経験を積み整復術者デビューとなることが多いです。
環境によってはいきなり『お前整復やれ』というような、ある意味恵まれた現場もあるかもしれません。
しかし自分の院にそういった外傷が来院しても『どうせ院長や先輩が対応するだろう』と、当事者意識が低く、他人事に考える柔道整復師が多い。これは昨今の接骨院業界を見渡して感じることです。(今どき接骨院に骨折脱臼なんて来ないよ、というやつ)
こういった低い当事者意識、準備不足(内面的に)の柔道整復師に、突如、青天の霹靂のごとく『整復やってみろ』という号令がかかり、一気に心拍数が上がり、頭が真っ白になる外傷があります。
それが今回のテーマ、『肘内障』です。
肘内障というのは語弊を恐れずに言うのであれば『簡単』な外傷です。
もちろん骨折など見逃してはいけない外傷が鑑別できている前提ですが、鑑別できていれば整復は容易です。
では何にビビるのでしょうか。
耳をつん裂く子どもの『ギャン泣き』。
不安でいっぱいの保護者から『何とかして下さい』という圧。
整復を失敗したら…という恐怖。
これらをドカンと殴りつけられ、一気に当事者へとブチ込むのが肘内障です。
外科医がはじめての執刀で虫垂炎の虫垂切除をするように、柔道整復師が整復の度胸をつけるために肘内障の整復を任されるのは、整復自体が容易で内面的な成長をさせるため、いわば師匠から弟子への愛ある無茶振りです。
まさしく登竜門的な位置付け。
Twitterでアンケートをとった結果、105人中62人がはじめての整復は肘内障だったと回答しており、まさにその数字が物語っています。
整復自体初めての経験の浅い柔道整復師(もしくは医師)がこれから先、初めてでも不安無く鑑別・整復を遂行し、かつ本人や親御さんに安心を提供できるレベルになってもらいたいのがこのnoteの役割です。
余談ですが、先ほど出てきた『当事者意識が低く他人事に考える』柔道整復師、、、恥ずかしながら実は1年目の『私』です笑
まさにこのようなストーリーで肘内障の整復を無茶振りされました。今思えば当時の院長の愛情だと思います。
私もこの受けた愛情をみなさんに還元していきたいと思います。
このnoteの構成は以下のようになっています。
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かなりボリューム満点です。深掘りをすればもっとあると思いますが、肘内障未経験の先生が予め知っておくべき情報として十分な内容だと思います。
『どうせみんな知ってるような情報載せてるだけでしょ?』
厳選したからといって上澄みをすくったような浅い内容ではありません。実際オンラインで行ったセミナーのスライドを元に作成していますが、整形外科のドクターも複数名受講して頂いた内容です。
肘内障の整復をやったことが無い先生、
整復経験はあるけどまだまだ自信が無い先生、
肘内障なんてeasyと思っているエキスパートの先生、
ぜひこのnoteをきっかけに準備、復習、疑似体験し、明日からの診察に役立てていただければと思います。
それでは本編に参ります。
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