見出し画像

はてしない石の物語#63~「どうしても行きたいところ」があったペンダント

前回もオニキスのお話でしたが、今回もオニキスのペンダントのお話を。

前回のオニキスのイヤリングのお話はこちら。

ビンテージのアクセサリーが置いてあるお店を時々のぞきます。アクセサリーからアピールを感じることがあるのですが、今回のペンダントはそれが強めでした。

なぜか最初に隅々まで見ているときには見つけられず。帰りにもう一度見たとき、「ペンダントかけ」の下に落ちているものがあるのが見えました。前には食器が並んでいて、その陰に落ちていました。取り出してみたら目が合ってしまった!瞬時に「これは連れて帰らないと」と思いました。それがオニキスのペンダントでした。

石の勉強会の時にK先生に見ていただいた時「これ、すごく目があったんです」と取り出しながら言ったところ、先生も受け取るか受け取らないかのうちに強く頷いていて「うん、めっちゃ見てたって」とおっしゃいました。「そうなんですか?でも下に落ちてたんですよ」と答えたところ「そう、身を乗り出して見ていたから落ちたらしい」と・・・「えー!なぜそんなに見てたんでしょう?」とお聞きしたら「連れて行ってほしいところがあるんだって。この人ならわかってくれる、って思ったらしいよ」とのこと。「連れて行ってほしいところとは、誰か人でしょうか?それとも場所でしょうか?」と聞いたところ「場所。海が見たいらしい」と・・・

「海!」そんなことあるんだなあ、と思い「それはこのペンダントの前の持ち主の想いでしょうか?それともこのペンダント自身の想いでしょうか?」とお聞きしたら、先生はちょっとキョトンとなさった後、当然という感じで「この子自身の想い」ときっぱり。そして「裏に何か刻まれているけどなんて書いてあるかわかる?」と同行していた長女に尋ねました。(こういう時、先生も私も見えないから娘と一緒だと助かるんです)

「『MEX925』と書いてあります」と言って、すぐに携帯で意味を調べてくれました。「925」がシルバーを示すことは知っていましたが「MEX」はメキシコを表している、とのこと。家に帰ってからさらに調べたところメキシコは銀の生産地として有名なのだそうです。

先生は「メキシコは確かに海に囲まれているね」とおっしゃるので「それ、関係あるんでしょうか?」とお聞きしたら「さあ、わからないけど、関係あると思ったら面白いよね」とのことでした。「海、と言ってもどこでもいいのでしょうか?まさかメキシコの海、とは言わないですよね?」とドキドキしながら聞いたところ「もしそうならメキシコ行ったらいいんじゃない?」と先生は面白がっていましたが、結局は「海ならどこでもいいらしい」とのことでした。ホッとしました。

家に帰ってからその話を旦那さんにしたところ「じゃあ、海に行く?」と連れて行ってくれました。海と言っても船着き場のようなところだったので、本当はもっと波が打ち寄せる浜辺が良かったのではないか、とひそかに思ったのですが、これを機会に時々海にドライブするのもいいかもしれない、と思っています。

身を乗り出して訴えるほど、それだけ切実に、故郷の海が恋しいかったのでしょうか・・・それとも、前の持ち主が海の近くに住んでいたのでしょうか(そうだとしたら、幸せな関係だったことでしょう)。いずれにせよ、なんだか胸がきゅんとなり「ここの海も懐かしい海につながっているからね」と話しかけてしまいます。ああ、そうはいっても懐かしい海は格別よね・・・

こういうことを信じる、信じないは自由だと思うのです。でも信じてみたら海に行く機会が増えたり、メキシコに思いをはせたりと行動や世界が広がるから、私は信じたほうが楽しい、と思っています。

いいなと思ったら応援しよう!