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はてしない石の物語#3~初めて癒したペンダント~

次にK先生に見ていただいたのは、お気に入りのアンティークのペンダント。トルコ石が入ったクロスのペンダントでした。
 
そのペンダントを見た瞬間、先生は固まってしまいました。ご自身では気が付いていなかったかもしれませんが、ちょっと後ずさりして、手を後ろに回し「それはあらゆる浄化を試した方がいい」とおっしゃったのです。予想していなかった展開に私も固まってしまいました。
 
「それはかなり古いものだね。お姫様、とまではいかないと思うけれど高貴な家に伝わっていたものではないかと思う。そしてその代々の持ち主のあらゆる悲しみや苦しみを受け取ってきたから、とにかくまず浄化して」と。浄化と言われても、その方法をよくは知らない私は「どういう浄化をしたらいいでしょう?」とお聞きしたら、恐る恐るペンダントを手に取って見てから「ネットとかで調べればいろいろ載っていると思う。あらたに浄化グッズを購入しなくてもいい、自宅にあるもので試してみて」とのこと。その後、ペンダントを乗せた先生の手はしびれてしまったようでした。それくらいいろんなものをため込んでいたらしいと知って、「それを心臓の近くにさげていた私って・・・」と思いながら帰ってきました。
 
家に帰ってからいろいろな浄化を試しました。重曹を入れた水に漬けてみる、塩を入れた水に漬けてみる、ホワイトセージを炊いて煙で浄化する、お香を焚いて浄化する、朝日にあてる、ティンシャという音を鳴らすもので音の浄化を試みる、などなど・・・
 
次の治療の時にそのペンダントを持っていったら、先生はびっくりして「すごいねえ、それすごいねえ」と手に取ってしばらく興奮していました。私が「浄化できたということでしょうか?」と聞いても耳に入らない様子で、しばらく「すごいねえ」を繰り返していました。落ち着いてから「うまく浄化したね。このペンダントはお坊さんで言えば高僧。これまですごく苦しかったと思うけれど、そういうことは一切伝わってこない。ただただ、また役に立てるのが嬉しいと言っている。このペンダントは人間に限らずありとあらゆる生き物が大好きだから、もし壊れてしまっても、その一部を猫の首輪とかに変えてもいいと思うよ。それでも喜んで働くと言っている。それからこれは身につけない時は、家族が見えるところに飾っておいて欲しいらしい。いつでも眺めていたいって」と。「すごく喜んでいるよ」と先生自身がペンダントになったかのように、本当に嬉しそうにおっしゃるので、私も胸がいっぱいになりました。最後に「もし、あなたが人前に立つ仕事から引退するときは、他の人に譲って欲しいとも言っている。あなたがこの人、と思う人に譲って欲しいそうだよ」というメッセージも伝えられました。私はそうすることを心に誓いました。
 
ペンダントを癒せたという喜びもさることながら、私は石やアクセサリーの純粋さ、気高さ、その愛に深く心打たれていました。この日に私の心に深く刻まれた石たちへの信頼と尊敬が、その後のさらなる扉を開けていくことになります。
 
癒されたペンダントを早速身につけて家に帰ったら、飼い猫がスーッと寄ってきて、ソファの上に乗ってペンダントに鼻をくっつけました。その光景はスローモーションのように私の目に焼き付いています。そんな行動は初めて見ました。後ほど先生にその意味をお聞きしたら「特に深い意味はなかったらしい。自然と体が動いてしまったようだ。心地よさをそこに感じたみたいだ」とのこと。まさに、そんな雰囲気だったのです。「生き物全部大好き」というそのペンダントの温かな愛を感じたのではないか、と思っています。
 
これが私が初めて癒した石のお話。2023年8月4日のことでした。

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