はてしない石の物語#30~イヤリングが伝えた「天国からの『安心してね』」
前回の『素敵な「もの」の世界#2~友情の証「麗しいピンクのリング」』で、「殻を破った」ということがあったことをお伝えしました。
今回はそれにまつわるエピソードを・・・
最近知り合ったメグさんはK先生の治療院にも通っていることもあって、石の話のことも知っている方。メグさん自身もアクセサリーを見てもらったりしているそうです。「家にあるもので浄化してみて、と言われたの」という話は聞いていました。
ある時、私が所属しているボランティア団体のイベントにメグさんが来てくださり、イヤリングを渡されました。K先生に見ていただいたところ、私に渡すように言われたそうなのです。イベント中ということもあり、それ以上詳しいことは何も聞かずにお預かりしました。それが2024年1月20日のことでした。
その3日後に「石の勉強」を予定していたので、その時にK先生に見ていただくつもりでしたが、さすがに少しは私も進歩したいと考え「O-リング」(ご存じない方は調べてみてください)というものでどんな浄化が合うか確かめてみました。お香の「沈香」が合うらしいということだったので、それで浄化を試みてから勉強会に臨みました。
勉強会でそのイヤリングを出した時、K先生は驚いたような顔をなさって「これ、別物になったね。輝きが違う」と手に取られ「浄化は完成しているよ。もうこれをメグさんにお返しして大丈夫」とのこと。あっけにとられてしまいました。たとえ浄化方法が合っていたしても、これまで3日で浄化できたという記憶はなかったので・・・「どういうこと?」とむしろ混乱しました。
先生はさらにイヤリングをじっと見て「これはあなたの所に行った時点ですごく安心したらしい。その上浄化方法も的確だったから短期間でも浄化が完成したのだと思う」と。その言葉を聞いてなんだかとてもわかるような気持になりました。人も同じだなあ、と。「ここに辿り着けば大丈夫」という安全基地に辿り着けたら心底ホッとして、それだけでいろんなことが解決できるような希望を感じるものではないかしら。
さっそくメグさんにそのことを伝えるメールをしたところ、驚くべき返事が帰ってきました。
『あっという間に卒業出来て、とても驚きました。事情も説明しないまま押し付けてしまい申し訳ありませんでした。あの子は、2年前に49歳で亡くなった私の従姉妹の形見として、2週間ほど前に伯母から私にといただいたものです。従姉妹は幼いころから苦労の多い環境でしたが、K先生が「今世はたくさんの苦労を経験することを選んで生まれてきたので、今は自分の人生に納得しているよ。ただ一つの心残りが、みんなに哀しい想いをさせてしまったこと。だから泣くのは終わりにし安心してほしい」と言っていただき、涙が溢れました。彼女の辛かった想いが、めぐみさん(私)の温かい心遣いで癒され、さらにゆっくり休めるようになったのだと思うと、感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。これからは、嬉しい楽しい時間を一緒に過ごしながら、次の世代に引き継ぐ日まで一緒に輝いていけたらと思います』
このメールを読んで、心底驚き、同時に涙が溢れました。そのようないきさつがあるイヤリングだとは夢にも思っていませんでした。私に温かい心遣いがあったかどうか、正直それもあまり自信がありません。そうだったらいいのだけれど・・・と思うのですが。
この話には続きがあるのです。イヤリングをお返ししようと思ったのですが、なんと片方の金具の部分が外れて壊れてしまったのです。大事な形見だと知った後だったからなおさら申し訳ない気持ちでいっぱいに。壊れてしまった写真と共にお詫びのメールをして、お店で直させていただいても良いかお聞きしました。それに対しても想像もしなかった返事が届いたのです。
『実は漠然と考えていたのですが、私は耳に穴をあけているので、イヤリングよりピアスにしたほうがいいのかなあ、と。そしたらメールをいただいて、本当にびっくりしました。これもイヤリングからのメッセージだと思いますので、ピアスにリフォームしてくれるところを探してみたいと思います。石って本当に不思議で面白いですね』
「ああ、そうだったのね・・・」と脱力してしまいました。実際にイヤリングをお返しした時は、「実はメールを読んだ時、笑ってしまいました」とのことでした。そう、笑えるエピソードになったのだったら、本当に良かったです。石にはいつもハラハラドキドキさせられます。
このイヤリングに関しては、まだ私の中で「何が起こったのかよくわからない」という気持ちでいます。あっという間の出来事だったこと、K先生に見ていただく前に浄化ができていたこと、亡くなった方からの大事なメッセージを秘めていたイヤリングだったこと、壊れたことにさえメッセージがあったこと・・・いろんなことがありすぎて。「殻を破った」と言われても、なんだか手ごたえも実感もないのです。
でも、2年前に亡くなった方の形見が2週間前にメグさんの手元に届いた、ということ、私とメグさんが知り合って間もなくだったこと、そういうことを考えると、このタイミングでイヤリングがメグさんを通して私の所にやってきたのかもしれないな、とも思うのです。このイヤリングは従姉妹さんが持っていたものの中でも、最もご本人の思い入れが強いものだったのかもしれません。
『はてしない石の物語#6~時空を超えて癒された心』で、アクセサリーを作った当時の作り手の心を癒すことができたらしい、ということをお伝えしました。
実はそうは言っても自分ではあまり実感がないまま今に至っていました。今回の出来事で、今一度自分に何ができるのかを考えてみたいと思っているところです。
ひとつ思っていること。メグさんの従姉妹さんはきっと自分のことよりも周りの人のことを気遣う人だったのではないかと。今も悲しんでいるかもしれない家族のことで胸を痛めているのだとしたら、もうその必要はないと安心してもらいたいと。「安心してほしい」というメッセージを従姉妹さんが伝えてくれたように、今生きている家族や親せき、友人たちも「安心してね」と伝えられるようであってほしい。メグさんが『これからは、嬉しい楽しい時間を一緒に過ごしながら、次の世代に引き継ぐ日まで一緒に輝いていけたらと思います』とメールをくれたように、生きている人たちは、どうか自分の人生を輝かせることで従姉妹さんを安心させてほしいと心から願います。
ピアスになって生まれ変わったら、きっとその輝きで互いが安心できる道への「みちしるべ」となってくれることでしょう。そう思ったら、私の心にも温かな灯がともるようです。
素晴らしい経験を私にもさせていただいたこと、心から感謝いたします。ありがとうございました。従姉妹さん、私もあなたにお会いしたかった・・・