雇用調整助成金について
※個人の所感です。詳しい情報はこちらからご確認ください。
厚生労働省サイト「雇用調整助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
コロナウイルスの感染の広がりにより、休業を余儀なくされている企業、事業所が増えています。従業員に対する休業手当等を補助するのがこの「雇用調整助成金」です。
「急激な事業活動の縮小を余儀なくされた場合等における失業の予防その他雇用の安定を図るため」、「その雇用する労働者について休業若しくは教育訓練(以下「休業等」という。)又は出向により雇用調整を行う事業主に対して助成及び援助を行うものである」とあります。
平たくいうと「景気悪くなっても解雇せずに雇用を維持して欲しい。休業手当や教育訓練等に対して補助します」ということです。
前職ではこれを扱っている職場にいました。ハローワーク(労働局)では様々な助成金を扱っています。普段から日常的に申請があるのは障碍者の方や母子家庭のお母さん等をハローワーク等経由で雇用した場合に企業へ支給される「特定求職者雇用開発助成金」等です。
この「雇用調整助成金」は急速に景気が悪化した時に発動されるものであり、いわば「伝家の宝刀」的なものです。現在公開されている「雇用調整助成金業務取扱要領」には「平成28年熊本地震」「平成30年豪雨」「平成30年北海道地震」「令和元年台風」等の取り扱いが記載されており、大きな災害に対して特例を設けて対応していることがわかります。
平成20年のリーマンショックでも大量の申請がありました。実はその時に各ハローワークで申請受付、相談等を行っていたのを定員の削減に伴う業務の合理化のため労働局に「助成金センター」を設置し、窓口の集約を行っていました。「合理化」というのは聞こえが良いですが、余裕を削るということになります。そのしわ寄せは緊急対応が必要な時に露わになります。当時「助成金センター」で勤務していた同期の話を聞くと胸が痛みます。
今、担当窓口は問い合わせが殺到しているところだと思います。これから窓口体制、業務体制の強化をしていくところかと思いますが、物理的な場所の確保、人員の確保等すぐに出来るものではありません。また感染予防に関する配慮も必要でとても難しいところだと思います。
私がハローワークに採用になったのは平成7年4月。阪神淡路大震災の起こった年でした。現地への応援職員の募集が行われていました。バブルの崩壊により年々雇用状況は悪化していました。その後、リーマンショック、派遣切り等、そして東日本大震災…。鳴り続ける電話、庁舎外まであふれる来所者の方々、膨大な事務処理、遅くまでの残業…。
社会の困難な状況に対して、第一線で頑張っているかつての仲間の皆さんに心から感謝と応援の意を伝えたいと思います。はやくこの状況が収束し、平和な日常が戻ることを心より願います。
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