イラストレーターを諦め切れなくて
イラストレーターを考え出した中３
『イラストレーターになりたい！』
そう思い始めたのは、中学三年生の時。
街中のポスターや、雑誌や小説等の挿絵等に自分の絵が載る。
その喜びはこの上ないだろう。
そして有名になって、今まで見下してきた人達を見返してやる。
というのが、当時の理由だった。
同時に大学に、漫画イラスト学部といった存在を新聞で知った。
当時は画力もデッサン力もかなり低く、独学では限界を感じていた。
教わると確実に能力アップしたり、
イラストレーターへの近道かも…？
早速、担任の先生に相談した。
「先生、大学の漫画イラスト学部に行きたいと考えてるんですが……」
「漫画は奥が深い。出版社に持ち込みした方が良い！」
と、キッパリ言われた。
自分は漫画よりも、
漫画イラストが学びたいと思うようになったのだが……。
自分の口下手なのか先生の早とちりなのか、
上手く伝わってないようなのと、腑に落ちずモヤモヤしていた。
今思うと、漫画家に関しては正にその通りだと思った。
義務教育中にデビューした漫画家さんも沢山いらっしゃる。
様々な漫画に触れたり思い出しているうち、
画力やデッサン力が高いと表現の幅が広がるが、何よりもストーリーが大事なのだと悟った。
高３で夢が固まるも…
高校三年生くらいになりやっと、
絵をそれなりに描くコツも、
自分の描きたい絵柄の方向性も、
ゲルインキボールペンやミリペン、色鉛筆の力加減も分かってきた。
やはり三度の飯よりも絵を描くのが好き。
中学から授業中も描いてしまう程であった。
イラストの専門学校や、大学のデザイン科に進学したかった。
しかし親には、
「行くなら働いて自分で稼いで行け」
と、ピシャリと言われた。
正直、かなり不服に感じていた。
どうしても諦め切れない。
その矢先。
放課後の部活動中。
偶然、同じ高校でイラストの専門学校のOGが、文芸部（ほぼイラスト部）の部室に遊びに来られた。
時々来られて、後輩達である在校生部員である自分達に、自作のイラストを見せて頂いたり会話したりしている。
「先輩！」
意を決して、自分はOGに声をかけた。
「なぁに？さおちゃん」
気さくに返事を返してくれるOG。
自分「先輩は、イラストの専門学校の卒業生ですよね？」
OG「あぁ、そうだよー」
自分「今、何のお仕事してるんですか？」
OG「うちフリーターしてるんよ」
自分「そうでしたか……」
自分は肩を落とした。
OG「さおちゃんは、デッサン出来るん？」
自分「えーと……」
当時、人物がまだまだで苦手意識はあるが、出来ない事はないレベル。
しかし、更に口下手な故、自分は言葉に詰まってしまった。
OG「うちは植物しか出来んのんよ〜」
自分「えっ、そうなんですか？」
自分は驚いた。俄かに信じ難かった。
OGが卒業されてからも3年ほどはほぼ毎月積極的に部誌に寄稿されている。
部員の作品を纏めたコピー誌だ。図書室などで無料配布されている。
特に服のデザインがとてもハイセンスで奇抜で、カッコイイ絵柄。
線もポップで綺麗。画力も高い。
後輩達の間でも人気が高い。
自分もOGの大ファン。
そのOGですらフリーターをされている、
という事は……
『ああ、絵も色塗りも慣れてきたとは言え、今の私には到底望めない』
やっと諦めがついた。
渋々、製造業の工場に就職する事に決めた。
片や、妹は……
妹は大学に進学。
途中から下宿し、アルバイトで授業料や生活費を稼ぐ等していた。
親の反対を押し切ったのか、
もしくは自分とは正反対に要領が良く、
勉強も出来るので、
妹の方が期待されていたのかもしれない。
とても羨ましく思う。
絵の道の現実は厳しい
後に女子の同窓会が開催され、
ご友人である同級生Aから、
「Bちゃんがイラストの専門学校に進学した」と聞いた。
同じ文芸部員で、とても可愛く活き活きしていて、デザインセンス抜群な絵を描く。
部誌にも月３作以上は投稿したりと、積極的に描いていた。
やはり羨ましく思った。
ところが…
21歳を過ぎた頃、同窓飲み会の時。
「Bちゃんは何のお仕事してるん？」
幹事兼女子のまとめ役的存在の同級生Cが尋ねた。
「アルバイトしとるんよー」
と、B。
それを聞き、絵の専門学校を卒業しても就職先が少ないのかな…と痛感した。
有難い事に、有償依頼も幾つか
22歳の頃、
ローカル新聞の担当をされていた父のご友人から、四コマ漫画のご依頼を頂いた。
だがフルタイムで仕事をしながらは、３ヶ月に一度のペースでもハードであった。
「好きなテーマで描くと良いよ」
と言って頂いたが、
ネタも無くなってきて、必死で捻り出していた。
生き物のネタ等、似たりよったり。
絵も描き慣れてはきたものの、人物も背景の描き込みも簡素になってきた。
約４作連載させて頂いた所で新聞の担当が変わり、事実上連載終了となってしまった。
継続して安定したクオリティとペースで描く大変さが身に沁みた。
28歳の頃、旦那の友人から
町のパンフレット案内のイラストの依頼を紹介して頂いた。
しかし、自分が風景や建物等が苦手。
『こんな感じで』
と、参考イラストまで送ってくれたが、
残念な事に上手く応えられる自信が無く、泣く泣くお断りさせて頂いた。
大人になり思うこと
周りの話を聞いたり、実際にやってみて、
絵の関係を仕事にするのは大変な上、本当に狭き門なのだな……と思い知った。
腱鞘炎に悩まされやすい、との情報も目にしてゾッとする。
本業と両立しながら時々イラストレーターをしている同級生や、
本職がイラストレーターの知人なども、
たまにお見かけする。しかもフリーランスだ。
その方々はきっと、行動力や営業力などがかなり高いのだな……と思った。
安定したペースとクオリティで、コンスタントに絵のお仕事を続けられてる事に、心から尊敬の念を抱く。
大学や専門学校は授業料が相当の高額だと知った。
当時は知らされてなかったが、
自分は発達障害の特性で、計画立てたりタスクをこなすのが大の苦手。
上手くカリキュラムを組めなかったり、
サークルを掛け持ちしてはかまけたり、
絵に関わる就職先も少ないので、
あらゆる面で相当苦労していた未来は想像できる。
高校でも遊びまくっていたので、
汗水垂らし稼いでくれた上、こまめに節約してくれた親の貯金を更に無駄にしてしまったかもしれない。
辛うじて阻止出来たのが、せめてもの救いに思える。
今は自分に合う形で活動中
今現在、既婚・小４と年長の子供がいて、週二回B型就労支援に通っている。
生活や特性・今の体調上、フリーランスで安定したクオリティとペースで描いたり、納期を守れる自信が今の所無い……。
丁度、出来るだけ心身に負担の少ない形で活動出来るサービスを徐々に見つけた。
そこでイラストレーターや画家として活動している。
アートの輪
障がい者専門のアートギャラリー。
手帳や診断書があれば、どなたでも参加できる。
一定期間投稿する等の条件を満たすと、
更に契約が締結され、
3ヶ月に一回作品を投稿すると、協会から全員に制作応援費を分配して頂ける。
先日、3ヶ月で約1000円振り込んで頂いた。
僅かではあるが37歳で、定期的な収入に繋がったのが、とても嬉しい。
但し、投稿フォームの入力欄がかなり多い。
特性上などで、自分含む悪戦苦闘されてる方もかなり多いのでは……と。
自動で作品のサイズやテーマを認識する等、入力項目を減らしたり入力しやすくすると、
どなたでも投稿しやすくバリアフリーに繋がり、アーティストさんのご負担も軽減出来るのでは…？
と予想される。
そのうち、そういった意見を送ろうと思います。
イラストAC
無料でイラスト素材をダウンロード出来るサービス。
主に学生時代などに没にした絵を投稿している。
DL頂く度に、ポイントが貯まる。
有難い事に、時折DLして頂ける。
昔の絵は絵柄の癖が強く画力も低いものの、活用して頂けたようでお役に立てて嬉しい。
ただ、特に不便に思うシステムが、
①『タグが絵に相応しくない』と審査に落ちる
②投稿を削除し、タグを削除し再投稿
③『他のタグが相応しくない』と再び落ちる
まとめて教えて頂いたり、投稿を削除せず変更して再投稿出来るようになると、手間が省けて助かる……と思う。
３回ほど意見を送ったものの、
最後に投稿した地点では特に改善されていないようである……
SUZURI
描いた絵のグッズを販売している。
画像をアップロードすると無料で様々なグッズが作れて、注文が入るとSUZURI側で受注・発送手続きをして頂けて、マージンが入る。
在庫を抱える心配も無く、とても助かる。
収入は年に約100円。今現在は合計700円。
受注生産なので高額にもかかわらず、自分の絵を気に入った上に購入して頂いて、
本当に感謝極まりない。
手数料が100数円掛かるので、まだ引き出せていないが……
まだまだ無名で少しずつながら絵にかかわる収入が増えてきたりと、
イラストレーター等の夢が叶ってきて、本当に嬉しい。
こまめに新商品を販売したり、素材を投稿すれば、
注目頂ける回数が増え、
売上やポイントがもっと増えるのかもしれない。
しかし、自分の特性で、
如何せん集中力が切れやすく疲れやすく、
体調や気分にムラがあり難しい……。
簡単な絵からでも楽しく描いて完成させて、
もう少しはこまめに投稿出来ると良いな……と思う。
ここまで読んで頂き有難う御座いました！
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