結神社って名前がいいですよね?
このところの「結神社」人気には驚きます。
常駐の神主がいないにもかかわらず、観光バス専用の駐車場ができたほど。
日中、散歩がてら、もしくは自転車で散走がてら参拝に伺うと、たいてい町外らしき客の方に遭遇するようになりました。
二、三人組の若い女性も多い気がします。
「万物を生み出す縁結びの神」として知られ、何度かメディアで「パワースポット」と紹介されたことも大きいのでしょうが、この地に残る伝説の背景も影響しているように感じます。
伝説とは、簡単に言えば、ハッピーエンド版「ロミオとジュリエット」。
小栗判官との仲を引き裂かれた照手姫は失意の中、日本を彷徨い、
結神社で祈願した後、小栗判官と結ばれるといったロードムービーになりそうな恋物語で、
歌舞伎や宝塚歌劇団の作品にもなりました。
それにちなんだ拝殿脇の絵馬掛けにかかる絵馬も人気。
絵馬の中に描かれたハートは繰りぬいて持ち帰ることができ、願い事が成就した場合、お礼参りで願い事を書いた絵馬を探してハートを戻すのだとか。
外国人技能実習生が中国へ戻る際、結神社に立ち寄って参拝し、その直後に横浜で出会った男性と結婚し、お礼参りに二人で来てハートをはめていったという噂も聞いたことがあります。
都市伝説のように話が大きくなっているようにも思いますが、こういった話は口コミだけではなく、SNSなど現代ならではの形で一気に広まっていったのでしょう。
境内で若い女性グループを見かけると、
「せっかくなので「町屋観音堂」の十一面観世音菩薩も参拝していかれたらどうですか?」
と声をかけます……心の中で(人見知りなのでスミマセン)。
実は、照手姫は祈願した際、十一面観世音菩薩を納めたと言われ、
それは現在、結神社の鳥居から約100メートル、鎌倉街道(源頼朝の頃に整備された京都と鎌倉をつなぐ道路)沿いの「町屋観音堂」に納められているのです。
意外に知られていないんですよね。
結神社とセットで参拝すれば……ご利益倍増……しかも、なんと今回、8月10日の千日参り(この日に参ると、千日参るのと同じご利益があると言われている)では、一日だけご開帳、つまり、直接、十一面観世音菩薩が眺められる……ってテレフォンショッピングみたいになってきました。
どちらにせよ、明後日、結神社では手を叩いて参拝し、観音堂では手を合わせて参拝しに伺おうと思っています。
毎朝、神棚の前では手を叩いて、仏壇の前では手を合わせるのと同じように。
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