趣味を聞かれ……
趣味を聞かれると困ります。
20代の頃、
飲みの席で
「寝ることですかね」
と答え、
映画監督から
「ふざけてんのか!
だいたい今の若いヤツは……」
とからまれ、明け方まで説教されました。
30代の頃、
「旅ですかね」
と答えたら、
「それ仕事じゃねぇか!」
と、これまた叱られました。
40代に入り、
「特にないんですよね」
と答えたら、
「それはダメだよ。
歳とってから困るよ」
と哀れんだ目で見られました。
そんな僕が、ここ2年ほど「ノザクラ」の写真展の告知ハガキを渡すと言われます。
「いい趣味をお持ちですね」
と。
そう言われると、どこかこそばゆい。
写真サークル「ノザクラ」の立ち上げメンバーの一人ではあるけれど、
先輩方に飲み屋に呼ばれ、
写真サークルの名前をつけてくれと言われ、
名前を提案したら、そのまま自然入会という形になっただけ。
サークルに集う方々のように、
カメラも撮影技術も詳しくなく、
撮影のために、どこかへ出かけて行くこともありません。
SNSにあげている写真は、
元々、エッセイに添える為に撮らされた、失礼、撮らせていただいただけ。
世界一周する際、
機内誌の連載を始める時、
僕は写真が撮れないので、
イラストで始める予定でした。
「イシコさん、写真撮りましょうよ。
いくら下手でも100枚撮れば、
1枚は使えるから」
と編集長と担当編集者から言われ、一眼レフのデジカメを購入したのです。
確かに毎日、100枚以上撮り、
その街に一週間もいれば1000枚近く撮れば、
いくら僕でも1枚くらいは使える写真が出てきました。
現在、「ノザクラ」の写真展で出しているのは、その時の物ばかり。
なんだか申し訳ない気もするのです。
というわけで、
今日1月6日(土)、7日(日)@ハートピア安八にて、「ノザクラ」第5回写真展です。
今ではメンバーも29名まで増えました。
あいかわらず、カメラも撮影技術も写真の構図なども語ることは全くできないし、
今回、僕が出している写真もセカイサンポの際、アルゼンチンのブエノスアイレスで遭遇したデモの女性たちの写真です。