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一回の結婚式の菓子まきの費用40万円!

 子どもの頃、近所で結婚式があると走って行きました。
駄菓子をもらいに行くことが楽しみだったのです。
岐阜県やお隣の愛知県では花嫁が家を出る際、家族が自宅の屋根や二階から菓子をまく風習「菓子まき」です。
光景としては節分の日に力士などが撒く「豆」を「駄菓子」に変えたイメージでしょうか。
幸せのおすそ分け、人手がいなくなることを嫌って村人が通せんぼするのを許してもらうためなど様々な諸説があるらしい。
なんにせよ昭和までの話だと思っていました。
 
しかし、10年ほど前、つまり、平成20年代でも、この風習が残っていたことを知り、驚きました。
「娘の嫁入りの時、30から40万円分ほどは駄菓子を用意したんじゃないかなぁ。
どれくらい?4トン車1台くらいかなぁ」
 安八町の中でも彼の住む地区は特に派手だったことも知りました。
当然、結婚式にかかる費用も高額で、昨日、同席していた3人ともがお子さんの結婚式は、1回あたり500万円かかったとおっしゃっていました。
当時の全国平均の2倍。
 
さて、「菓子まき」ですが、様々な駄菓子を詰め込んだ「寿」と書かれた袋を祝いに来た近所の方々に手渡し、
その後、花嫁が家を出る際に駄菓子を一つずつ投げて祝います。
ライスシャワーではなく、駄菓子シャワー。
菓子を受け取る方も次第にエスカーレートし、花嫁なんかそっちのけで、投げる方に、どんどん近寄っていきます。
最後は菓子が入っている段ボールに人が群がり、箱ごと奪って行く人もいたのだとか。
高齢者がはじき飛ばされて骨折し、救急車が出たこともあれば、
違う自治体からリヤカーで来て、段ボールに積んで持って帰り、転売する方がいるなど、当時の話を聞けば聞くほど、僕のまばたきは減っていきました。
 
もちろん今は、菓子まきをする風習もなくなり、ましてやコロナ禍。
10年後、結婚式をする方々からすれば信じられない昔の風習になるんでしょうね。
 
さすがに菓子まきでアイスクリームは投げないんだろうなぁ。
写真は佐賀県の老舗メーカーが作る人気アイス。

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