自治体予算を考える二日間
自治体予算の話になると尻込みしてしまいます。
「数字は弱いんですよねぇ」などと逃げるわけにもいきません。
そこで、一泊二日の研修に行くことに。
地方債、特定財源、国庫支出金、臨時財政対策債、健全化判断比率、実質公債費比率、将来負担比率……町議会議員の役割をいただくまで耳に、少なくとも口にしたことはない言葉のオンパレードです。
ウニになりそうな脳で、昼食後の眠気とも闘いながら、必死に聞いていました。
僕の地頭では、二日程度の研修で全部、把握できるなんてことはありません。
しかし、持参していった安八町の財務書類への視点は研修を受ける前と後では、間違いなく変わったことは実感しました。
講義の中で北海道は夕張市を例に上げての話は興味深かったです。
炭鉱で栄えていたのですが、次々と炭鉱が閉山し、炭鉱会社が所有していた病院、炭鉱住宅、上下水道設備などを市が買収するなど閉山処理に600億近くかかりました。
起死回生の策として観光施設に力を入れるも、うまくいかず、2006年、総務省に財政再建団体の申請を行い、今も再生に奮闘しています。
財政破綻のニュースが流れる5年ほど前、ゆうばり映画祭で滞在したことがあり、
この話は、なんとなく関心はあったけれど、
どうして、自治体として莫大な借金ができていたのかまで考えていませんでした。
あるスキー場を市が買収する際、市債を発行しようとしたのですが、
北海道庁は負担が大き過ぎると認めなかったため、
夕張市は土地開発公社に買収させ、
市が借金を返済するという手法をとったのです。
自治体には、通常のサービス全般を担う「一般会計」と分けて、
国民健康保険や上下水道などのように公営企業会計として独自に予算管理する「特別会計」なるものがあります。
「特別会計」の中に入る公営事業は、自治体独自で作ることもでき、
夕張の場合、土地開発公社がそれにあたり、
先述したように市が借金を返済し、
土地開発公社は表面上、財政黒字になっていたのです。
ここから学べること。
たとえば、上下水道の特別会計で、
配管の交換など設備投資へ莫大な借金などをしているにもかかわらず、
上下水道の料金を安くしたままで、一向に事業財政がよくならないのに、
「一般会計」から繰入れして、
「特別会計」の数字上が整っていると、視点がなければ、議員は通してしまうでしょう。
少なくとも僕は。
こんな時、もし、財政改善の見込みがなければ、住民には申し訳ないけれど、水道料金を上げることも議論した方がいいんですよね。
「木」も見るけれど、「森」も見なくてはいけません。
今回の研修で学んだことでした。
この二日間、疲れ切った脳には食事の時間がとにかく楽しみだったなぁ。
写真は朝食。
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