どうしても行きたかった立ち食い蕎麦屋
どうしても行きたい立ち食いそば屋がありました。
日本のファストフード文化の一つ「立ち食いそば」は、ひとり旅(別に一人じゃなくてもいいんですけどね)の想い出に添えることがあります。
深夜バスで青森駅に到着し、降り立った朝に開店したばかりの立ち食いそばに入って食べた「めかぶそば」は忘れなれないし、
青春18きっぷの旅の乗換待ちでいただいた三島駅のコロッケそば、
少し変わったところでは、桜島フェリー内の立ち食いそばなど数え上げていけばキリがありません。
普段の生活でも、よく利用します。
名古屋駅ホームのきしめんは、乗る電車を一本遅らせて立ち寄ることがあるし、
東京滞在中は、お酒を飲んだ後、ラーメンだと重いので、立ち食いそばで軽くそばをすすって帰ることもあります。
そういえば品川駅の立ち食いそば屋で券売機に1万円札を入れてお釣りを取り忘れ、気づいて戻った時には、既になく、人生で一番高い蕎麦が立ち食いそばになってしまったなぁ……と苦い想い出も蘇ってきました。
今回、行きたかった立ち食いそば屋の話に戻ります。
JR富士見町駅にある「丸政そば」。
長野県中信地域名物の大きな鶏のから揚げ「山賊焼き」がのった蕎麦を食べたかったのです。
ちなみになんで「山賊」なのか。
山賊は、山を通る時に「取り上げる」=「とりあげる」=「鶏揚げる」で「山賊」焼きと名付けたのだとか。
富士見町駅の立ち食いそばは、駅の外側にカウンターがあり、もちろん、外で立って食べることができますが、券売機は駅の中、待合室にあります。
外に券売機を置くと風で券が飛んで行ってしまうことがあるからかもしれません。
駅構内の待合室の扉を開けると、出汁の匂いが漂っていました。
この待合室で食べることもでき、実際、こちらで食べる人も多く、
それぞれの待合椅子にはお椀を乗せられる程のテーブルもついています。
特に寒い冬場は、ありがたいのでしょう。
結局、僕は「山賊焼」のそばではなく、コラーゲンたっぷりの大きな豚バラ肉がのった「こらちゃー蕎麦」を選びました。
これで450円ですから驚きます。