どうやって教員採用試験の競争率低下を止める?
物語の舞台は1985年、大阪は西成区の中学校。
映画「かば」。
「この学校には部落、在日、沖縄しかおらんねん」
臨時講師に詰め寄る生徒の台詞など、川本監督は3年かけて、当時の先生たちや西成区を取材し、それぞれの先生や生徒の物語も台詞も、ほぼ、そのまま(正確にはワンシーンだけ違うらしい)活かされています。
映画のタイトルにもなった主人公のモデル、蒲(かば)先生(享年58歳)は岐阜県郡上市和良町の出身でした。
僕は和良町に縁があり、
旅行作家としては旅番組で、
町議会議員としては移住促進施策の話を聞きに行き、
プライベートでも泊めてもらい、田植えのお手伝いに伺うなど何かとお世話になっています。
それだけではなく、1985年の物語なので僕の学生時代とかぶるんですよね。
地域の環境は違うけれど、
僕の通っていた中学校も荒れていて、
当時の先生方の生徒への向き合い方を見ながら、
改めて今の自分として観てみたかったこともあります。
公立学校教員採用倍率の低下が叫ばれて久しい。
令和2年度の文科省の発表によれば、小学校は平均3倍を切り、九州は、ほとんどで2倍を切っています。
他の都道府県がいいからと言っても、試験の日程が早くて内定だけ取りたい学生が集まったこともあり、辞退者続出で補充することになった県もありました。
「教員の魅力をもっとPRすれば……」
などとおっしゃる方々もいらっしゃいますが、既に、そのレベルではないと思うんですよね。
離職率も問題で、全体の数字で見ると低いように言われますが、世代別で見ると若い人の離職が多い。
25~30歳未満で約26%、つまり4人に1人ほど辞めているのですから。
理由は、たくさんあり、思い浮かぶ事は、たいてい当てはまるんじゃないのかなぁ。
じゃ、どうすりゃいいんだ?って……わかりません。
教育委員に就任していた頃、「学校はなくならないけど、今の学校システムがなくなる可能性はありますよね?」とつぶやいて、同席者たちから嘲笑されたことはありますけどね。
考え続けたいと思います。
そうそう、映画ですが既に全国公開から一ヶ月以上経ち、東京は吉祥寺のアップリンクのみの上映、名古屋、京都、大阪は公開中です。