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「幸」と「辛」

互いに挨拶を交わす新年「互礼会」にて中学生からいただいたメッセージカード。
参列者それぞれ絵も文字も違うようです。
僕がいただいたカードには羽織姿の龍が描かれ、手に持つ紙には「幸」の文字が。
 
「幸」の文字を見ると思います。
一つの災害、事故で、「幸せ」の文字から
一本抜けた「辛い(つらい)」の文字になってしまうことを。
 
岐阜市内の銀行と百貨店で用事を済ませ、
急ぎ足で駐車場に戻ろうとした際、
韓国映画「人生は、美しい」の看板が目に入ります。
スマホで時間を確認し、一瞬、躊躇しながらも吸い込まれるように映画館へ入ってしまいました。
 
いつも不機嫌で高圧的な夫、イヤホンで耳をふさぎ会話しない長男、反抗期の長女に対し、献身的につくす妻。
彼女は、ある日、肺がんで余命2ヶ月を宣告されます。
「子どもたちには話すな」
不器用な夫は、それでも優しい言葉をかけることはできません。
 
普通であれば、「辛い」映画になるのですが、
この作品はミュージカルで進行していき、
演出も振付も、どこかコミカルに描かれていることが救われ、噴き出してしまいます。
最後は泣いちゃったんですけどね。
 
命がかかっている時に、エンターテイメントなんて必要ないと、目くじら立てて怒る方もいらっしゃいます。
僕自身、実際、ある時、言われたこともあり、確かに、それも一理あるし、慎重になった方がいい。
しかし、どんな辛い時でも、「笑い」や「音楽」などが心を救ってくれることもあると僕は信じています……と、この体験話を綴ると、かなり長くなるので、このくらいで。
 
それより、昔、大嫌いだったミュージカルだったのに、
上京して5年ほどミュージカル劇団の制作をしていたんだよなぁ……と、この話もかなり長くなるので、これは別の機会に。
 
そうそう、昨日、メッセージカードを手渡してくれた学生は登龍中学校の吹奏楽部所属。
互例会が始まるまでの間、演奏してくださったのです。
彼女たちが演奏してくださった「ふるさと」は沁みました。

いただいたカードは、日々、使用するノートの裏表紙に貼らせていただきます。

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