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フランス人がお洒落だと思ったきっかけ

「フランス人はファッション誌を見て、服は買わないからね」
 女性ファッション誌の編集長をしていた頃、パリ在住のミュージシャンから言われたことがありました。
フランス人のお洒落なイメージについて話をしていたのです。
 
その際、僕がフランス人をお洒落だと思ったきっかけを問われ、
「はて?なんでだろう。フランス語の響きかなぁ……」
など、その時は、うまく答えられませんでした。
 
それが渋谷で開催中のロベール・ドアノーの写真展を拝見しながら思い出したのです。
きっかけは学生時代、友人の家に飾られていた写真だったことを。
正確にはジグゾーパズル。
 
雑踏の中で恋人がキスをしているモノクロ写真でした。
当時は「パリ市庁舎前のキス」というタイトルも
作者のロベール・ドアノーの名前も知りません。
フランス人とだけ教えてもらっただけ。
 
ただ、その1枚にライフスタイルが詰まっているような気がしたのです。
そして、つぶやきました。
「お洒落だなぁ」と。
 
公開中の写真展に「パリ市庁前のキス」はありませんが、
ロベール・ドアノーがとらえるフランス人に改めて魅力を感じ、
あらためて「お洒落」という言葉が浮かびます。
特に流しのアコーディオン弾き女性を追いかけた一連の写真の前で長い時間を過ごしていました。
 
そして、パリ滞在中に紹介された在住の日本人写真家がおっしゃっていたことも思い出します。

「人と違うことを見つけ、やりたいようにやることが普通の街なんだよね」

写真は南米のパリ「ブエノスアイレス」です。

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