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寒おこし

病害虫(菌)滅らし、微生物の活性化、土中の有害ガス出し、土壌改良などの目的で寒い時期に田んぼをトラクターで起こす「天地返し」。
僕の地域では「寒おこし」と呼ぶ方が多い。
昨日は、もち米を育てている田んぼの寒おこし作業をしていました。
 
トラクターを借り、一人で作業することも普通になりつつあります。
「だいぶ慣れたね」
 先輩が途中で様子を見にいらっしゃり、合格ラインは、いただきました。
とはいえ、まだまだ田んぼの中を効率よく一筆書きする、作業スピードが遅いなど課題は山積みですが。
 
昨日、トラクターに乗っていると、ロシア帽をかぶり、サングラスをかけ、マスク姿の高齢者の方が現れ、僕のことを、じっと眺めていました。
会釈すると、高齢者もニコッと会釈します。
正直、その時は誰かわかりませんでした。
 
一旦、エンジンを止め、近くまで歩いていくと、農作業に詳しい長老の一人です。
「あっ、石原さん(僕の本名)かね」
 と。
どうやら長老の方も誰だかわからなかったらしい。
 
ちょうど僕が他人名義の田んぼをおこしていて、田んぼの持ち主かと思ったけれど、どうも違うなぁと思ってじっと見ていたらしい。
「田んぼやられるんやね?」
「3年ほど前から勉強させてもらっています」
 コロナ禍以来、お話するのが初めてだったことに気づきます。
 
長老は80歳も超え、田んぼが悩みらしく、後、2年ほどで農作業を引退するので困っているとおっしゃっていました。
こういった話をこの数年で、よく耳にし、加速しているので、地域の課題として、今後の方法を模索していきたいと思います。
 
「寒おこし」を終えると、田んぼを出る前にタイヤの泥を小さいスコップで落とし、
写真のような長いのこぎり鎌でトラクターの刃にからまった稲を取ります。
スマホからMrs.GreenAppleをガンガン流し、ノリノリで。
この時間も好きです。
「たのしそ~ですね。これが終わったら、一杯飲むんでしょ?」
 と仲のいい郵便局配達員に声をかけられ、恥ずかしくなることもあるけどね。
さぁて、今年は、昨年よりおいしい米作りを目指します。

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