時間を自分で選べる幸せ
2025年4月から全ての企業において65歳定年制が義務となります。
周囲の先輩方にうかがうと、今の段階では選べるらしい。
「遊んでいても仕方がないから働くよ」
とおっしゃる方が多い中、お世話になっている先輩は今年の春、あっさり60歳で辞めてしまいました。
大企業の部長だった彼は、周囲から反対されたらしい。
残り5年働き、年金が出始めたところで辞めた方がいいと。
彼は数年前、救急車で運ばれ、
手術で一命をとりとめた大病をきっかけに、
はじめて「死」を意識し、
「時間は買えない。やりたいことをやろう」
と思ったそうです。
彼は会社を辞めてから、学生の頃からの趣味だったカメラに時間を注ぎ込み、
接待でしかやらなかったゴルフは、友人と楽しむゴルフに変え、
新たに釣りも始めました。
お目にかかる度に、楽しそうです。
昨日、今年の1年を振り返った話をうかがっていると、
カメラやゴルフ、釣り、全ての時間が楽しい1年だったけれど、
辞めて一番よかったなぁと思うことは好きな時にライブに行けることとおっしゃいました。
会社時代、プライベートの先の予定をなかなか入れられなかったのだとか。
もちろん、このご時世、「この日はダメ」と周囲に言っておけばいいのだけれど、
「営業」という立ち位置もあり、
クライアントに何かあった時に、
すぐ動けるようにしておきたいと思うと、
なかなか踏み切れなかったそうです。
それが今では気になるライブは、数カ月先だろうが、すぐ予約できるのですもんね。
「時間を自分で選べるって最高の幸せだよ」
カルビをつまみながら嬉しそうに笑い、
時間を買えるとは言うけれど、
どこまで買えるか、
過ぎ去った時間は買えないなどといった話にまで広がっていきました。
今日は、奥さまと2人でユーミンのコンサートに行かれるらしい。
2人でライブに行くのは結婚してから初めてなのだとか。
ライブの前に食事をしてから。
プライスレスな時間を楽しんできてください。