はじめての分蜂
「分蜂」のようです。
早朝、連絡が入りました。
現在、巣箱を設置している空き地の周囲に一軒だけある民家の庭で大変なことが起きていると。
自転車で飛んでいきます。
すると写真のような光景(ニホンミツバチの塊)になっていました。
グループLINE上で、お世話になっているミツバチ先生とミツバチ先輩の間で、一番出てきていたワード「分蜂」なのだろうと推測し、彼女たちにメッセージを送ります。
「分蜂」とは、巣箱の中で新女王蜂ができ、
新集団が増えて手狭になるので、
彼女たちを元の巣に残し、古い女王蜂と働き蜂たちが新しい巣を作るために巣を出て移動すること。
人間で言えば、新しい嫁に家をプレゼントし、親は外で新しい家を建てて住むって感じ……で合っているのかな。
1ヶ月半ほど前からミツバチ先生と先輩は「分蜂」を予測していたため、
近くにぶどう棚を作ってぶどうの木を植えつつ、育つまで何年もかかるので、それまでは疑似的日陰を作って、空の巣箱を設置し、
ミツバチを誘引する香りを出すと言われる花(キンリョウヘン)を近くに置き、
女王バチのフェロモンの入った網をぶら下げるなど、様々な手法を試していました。
しかし、今回、ニホンミツバチたちが選んだ物件は、
倉庫と道路と駐車場を挟み、直線距離として50mほど離れた民家の庭の木の低い場所。
民家のご夫婦は、生き物好きで、
旦那さまは勤め先の近くにセイヨウミツバチ養蜂をやられている場所があって、ミツバチの生態にも詳しく、
奥さまは、「ダッシュ村」でニホンミツバチを観たばかりだったことに感謝でした。
とは言え、今回のように甘えてばかりはいられず、早く分蜂環境を整えられるよう精進します。
さて、まずは引っ越し問題から。
木の下に作ってしまった分蜂状態のニホンミツバチを新しい巣箱に強制転居させなくてはなりません。
先生、先輩方の到着を待ち、引っ越し開始。
ニホンミツバチの塊を網の中にグローブをはめた手で落とし、巣箱の中に移します。
この時、女王蜂が入っているかが重要なのだとか。
巣箱の一番下に小さな入り口があるのですが、列をなして続々と入っていく様は、かわいい。
先生曰く、たぶん、この様子だと女王蜂は最初に巣箱に入れた時に入ったとのこと。
女王蜂が巣箱に入れば、最初に巣箱に入りきらなかったミツバチも、
入口に新しい家を教える蜂が立ち、お尻を外に向けてお尻からフェロモンを出すので、
それに誘われて続々と新しい巣箱の中に入っていきます。
今回、その様を見て感動し、なでてしまいたくなるほど健気でした。
わからないことだらけで、先生と先輩に質問しまくり。
あいかわらず無知で、どんくさい僕は、何のお手伝いもできず、せいぜい力仕事(それさえも大したことはないけど)するくらい。
後学のために映像をスマホで撮っておくよう頼まれたにも関わらず、
興奮したのか、いつのまにか「停止ボタン」を押して記録が残っていません……とほほ。
ニホンミツバチさんたち、お願いです。
もう一つ分蜂してください。
そしたら映像が、いや、「次からは一人でできますよね?」と先生に言われてしまったしなぁ。
となると映像を撮る係がいません。
「安八ミツバチ女子部(僕だけ男子だけど)でも作ったらどうですか?」
と先生。
女王蜂部とか怖そうですよね。
僕はパンとコーヒーを買ってこいって命令されそうだなぁ。
とにもかくにも今のところ、ニホンミツバチさんたちは安八町の環境を気に入っているようです。