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ミャンマー談義
安八の自宅まで車で送ってくださった方は帰国中で、普段は、ミャンマーで生活しているらしい。
日本企業のミャンマー駐在員なのでしょう。
クーデター前からとおっしゃるので4年以上は住んでいらっしゃいます。
アウンサン・スーチー政権と軍政権のどちらも生活していらっしゃる日本人にお目にかかるのははじめて。
僕はおススメの国を聞かれるのが苦手ですが、
「どうしても」と言われると、
「おススメではなく、僕が好きな国でもいいですか?」と前置きしてから、東南アジアで選ぶ国はミャンマーになるでしょう。
ミャンマービールに始まり、モヒンガ(麺料理)、ビリヤニ(カレーチャーハンのような物)など大好きな料理が多いこと、
そして、なにより優しい国民性が好きなのです。
といっても、既に最後に伺ってから15年近く経っているのだけれど。
「店?変わらないよ。通常通りやっているし」
「物価?15年前が最後?だったら、ミャンマー紙幣チャットで支払えば10倍くらいになっているかなぁ。ただ、外貨で買えば同じ感覚だと思う」
立て続けに質問していました。
「アウンの闇もあるからね」
彼の言葉には衝撃を受けました。
僕の頭の中で、ノーベル平和賞、女性、軟禁など様々なワードから、アウンサン・スーチーが「善」、軍が「悪」と決めつけていたことにハッとさせられたのです。
3年ほど前、連日のようにニュースで流れ、
アウンサン・スーチー側の視点で流れる報道ばかりを観たこともあり、
軍側の発表は「嘘」と決めつけていたのかもしれません。
実際、ミャンマーに住み、様々な人たちとお話していれば、
当然ながら、「軍」を応援する方と「アウンサン・スーチー」を応援する方とに分かれ、
それぞれの正義があることも想像がつきます。
「国民性?それは変わらないよ。あいかわらず優しい」
と聞いて、ホッとし、
「でも、日本人の感覚で見ると仕事はできないかな」
と笑い、それもまた微笑ましくて、ホッとしました。